実運送体制管理簿実態調査/提出経験ありの企業、約2割に留まる
2025年09月29日 16:12 / 経営
運送会社に特化したDXサービス「トラッカーズマネージャー」を運営しているAzoopの実態調査で、「実運送体制管理簿」の提出経験は21.1%に留まっていることがわかった。
この調査は、今年4月から義務化された実運送体制管理簿について、元請け・一次請け以降の運送事業者100名を対象に行ったもの。
運送事業者の実運送体制管理簿の提出義務化は、多重下請け構造を可視化し、長時間労働・低賃金・ドライバー不足といった弊害を解消するために導入。元請け会社には、荷主から依頼された運送がどのような委託構造を経て、誰が実際に運んだのか記録することが義務付けられている。
この義務化については、「知っている、ある程度内容を理解している」と回答した企業が42%、「知っている、十分に内容を理解している」という回答が35%、「知っているがあまり内容を理解できていない」という回答が19%で、認知度そのものは96%と非常に高い。
しかし、実際に真荷主へ実運送体制管理簿を提出した企業は21.1%と少ない。これは、制度が施行されたばかりであることに加え、真荷主側からの提出要請がまだ少ないか、制度の対象となる取引が限定的である可能性を示している。多くの運送会社にとって、現時点では「必要になったら対応する」という待機状態にあると、同社では分析している。
運送会社が管理簿を作成するためには、依頼元からその案件が対象であるかの通知や、請負階層などの情報が必要となる。
しかし調査では、「運送が『実運送体制管理簿』作成対象かどうかの共有を受けていない」という回答が42%、「作成対象の旨の共有を受けているが、請負階層など作成に必要な情報が共有されていない」という回答が19%あり、6割超の企業がこれらの情報を十分に受け取れていないことが明らかになった。
これは、制度の要件がサプライチェーン全体でまだ十分に共有・理解されていないことを示しており、現場での運用を阻む大きな障壁となっていると指摘している。
また義務化により、運送会社にとっては新たな事務作業が発生することになる。個別の作成作業は短時間で済む場合もあるが、提出している元請け会社の約4割は、独自フォーマットでの提出を求めていることがわかった。
荷主や元請けごとに異なる書式に対応する必要があるため、1件あたりの作業時間が短くても、取引先が増えることで総合的な事務負担が増加する可能性がある。また、「事務作業が増えるだけ」「まだ形だけの制度」といった自由回答は、現場が制度を単なる書類作成の追加負担と捉えている可能性を強く示唆している。
制度が義務化されたことによる多重下請け構造による弊害(長時間労働・低賃金・ドライバー不足)への影響については、60%の企業が「多重下請け構造も弊害も解消されていない」と回答。多重下請け構造は解消されたが「弊害は解消されていない」と回答した企業が25%だった。
制度が本来目指す目的と、現状の間に大きなギャップがあると考えられる。ただ、「多重下請け構造も弊害も解消された」と回答した企業も6%あり、少しずつ多重下請け構造の解消に向けて改善している様子がうかがえる、と同社では分析している。
■Azoop(https://azoop.co.jp/)
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