第57回全国トラックドライバー・コンテスト/「日本通運宮崎支店」高山涼太さんが内閣総理大臣賞
2025年10月27日 16:26 / イベント・セミナー
全日本トラック協会は10月27日、第57回全国トラックドライバー・コンテスト表彰式を開催した。
総合得点996点で第1位となった日本通運・宮崎支店宮崎事業所の高山涼太さん(11トン部門・宮崎県代表)が、内閣総理大臣賞を受賞した。
全国トラックドライバー・コンテストは、全日本トラック協会が主催し、内閣府、国土交通省、警視庁、自動車安全運転センター、全日本交通安全協会、日本自動車整備振興会連合会の後援を得て、1969年から毎年開催している。
今年は都道府県トラック協会の地区大会を勝ち抜いてきた146名、うち女性27名のドライバーが参加し、10月25日から26日にかけて学科競技(法規、構造機能、運転常識)と実科競技(運転技能・点検)が行われ、プロドライバー日本一を競った。
競技は、4トン部門、11トン部門、トレーラ部門、女性部門の4部門で実施。4トン部門は、ロジスティード西日本・本社営業所の中川宏昭さん(大阪代表・総合得点994点)、トレーラ部門は、NX徳通・鳴門支店の田中宏樹さん(徳島県代表・総合得点987点)、女性部門は、日本通運・福岡ロジスティクス支店福岡南営業センターの森永幸恵さん(福岡県代表・総合得点961点)が、それぞれ優勝した。
高山さんは、「まだ実感がありませんが、自分の目の前に内閣総理大臣杯があり、本当に自分がなったのだと思うところです。この内閣総理大臣杯を目指して、365日、家庭の時間を犠牲にして勉強に励んだ結果です。まずは、家族にありがとうと言いたい。また、いま、この時間も自分の代わりに仕事をしてくれている、職場の同僚にも、心から感謝の気持ちを込めて、ありがとうと言いたい」と述べた。
また、「自分の父がドライバーだったので、その後ろ姿を追って、ドライバーになりました。運転時は、交差点を通過する時に本当に安全なのか?せまいところで車体が通るのか?など、そういったシビアな状況では、いつも以上に安全確認をすることを心掛けています。また、ドライバーになりたい人は、決して悪い業界だとは思わないので、是非、挑戦して欲しい」とコメントした。
中川さんは、「非常に栄誉ある賞で嬉しく思っています。ただ、がむしゃらにドラコンに向かい合ってきて、日々過ごしてきて、全力で挑んで賞を頂いて嬉しく思います」とコメントした。
また、「私の父もタンクローリーやトレーラーに乗り、プロパンガスの配達もしていた。横に乗って、小さいながらに、すごく楽しいと感じて、憧れがあり、この業界に入りました。運転時は、交通マナーを気にかけています。例えば、方向指示器を出すと同時に進路変更するとか、方向指示を出さずに車線変更するとか、追い越し車線で車間距離が詰まっているとか、を見かけます。こういったことが、大きな事故につながると思っています。私は、車間距離は非常に大事だなと思っていますので、車間距離をとって、何かあってもブレーキを踏んで対応できることを心掛けて、ハンドルを握っています。私自身、2年目のドラコンで、いろいろな経験をさせていただいた。この経験をもって、次世代の育成に携わりたい」と述べた。
田中さんは、「正直、自信はありました。まず、いままで支えてくれた家族、会社の仲間、先輩、競技をするにあたり、教えていただいた教官の方々に感謝の気持ちを伝えたい。徳島で待ってくれている妻と子供に、早くこの結果を伝えたいと思っています」と語った。
また、「父親が、トラックドライバーで長距離もしていた。子供の頃から、横に乗せて連れて行ってくれたりとか、運転する姿を見て、めちゃくちゃカッコイイと思いました。僕もそういう父親になりたいなと思ったのが、ドライバーになったきっかけです。運転で心掛けていることは、自分にも子供がいます。走っている時に、もし自分の子供が歩いている時に、大きなトラックが来ても、不安に感じるような運転はしない。安全に通過する。安全にマナーを守っている人だったら、事故は起こさないと思っているので、自分が事故を起こさないように心掛けています。これまでのトラックドライバーの印象は、ちょっと強面の人というイメージもありました。でも、トラックドライバーコンテストのように、日本には、ドライバーの仕事を評価してくれる制度もあります。まだまだ、こういった制度を知らない人もいると思うので、どんどん挑戦してもらいたい」と述べた。
森永さんは、「初めて出たのは第55回大会で、結果が残せず、トラック協会の方から成績聞いたら下から数えた方が早いくらいの得点だった。全然、ダメだった。去年は大会に出ず、勉強し、業務中も基本的な安全走行を徹底した。今回も、また、ダメじゃないかと本当に不安だった。本当に優勝できて、心から嬉しく思います」とコメント。
また、「私は、失業したことがきっかけで、近くの日本通運で募集していた短期の引越のアルバイトで働き始め、社員にさせていただき、ドライバーになりました。運転では、安全最優先、この言葉を大事にしています。ドライバーになりたい方には、当たり前にできているようでできていない交通法規、こちらを一から、みんなやってほしい。勉強しなおしてほしい。交通法規を運転に照らし合わせていけば、未然に絶対に事故は防げると思います」と語った。
表彰式で、全日本トラック協会の寺岡洋一会長は、「今回の大会は、全国で1200名弱の方が参加し、厳しい地区予選を勝ち抜いて、146名のドライバーが2日間にわたって、日ごろの持てる技量・技術を存分に発揮され、競技を行っていただいた。この大会は、内閣総理大臣、国土交通大臣、警察庁長官から表彰される歴史と名誉のある格式の高い大会です。選手の皆さんは、地元の代表として全国大会に参加したという自負・名誉・誇りをしっかりと胸に刻んでいただいて、それぞれの職場や社会において、交通安全に対して模範的なドライバーとしての役割を担っていただきたい」とあいさつした。
なお、中小企業に所属するドライバーの中で、最も優秀な成績を収めた選手を表彰する国土交通大臣賞は、住化ロジスティクス・愛媛事業所運輸部(輸送課)の近藤義樹さん(トレーラ部門・愛媛県代表)、シニア(50歳以上)のドライバーのうち最優秀者に贈られる全日本トラック協会長特別賞は、バンテックセントラル・相模原営業所の白須忠彦さん(11トン部門・神奈川県代表)が受賞した。
■全国トラックドライバー・コンテスト
https://jta.or.jp/member/anzen/drcon_top.html
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