三菱ふそう/小型EVトラック「eキャンター」の生産設備を公開
2025年11月26日 16:17 / 施設・機器・IT
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三菱ふそうトラック・バスは11月25日、川崎製作所で小型EVトラック「eキャンター」の生産体制及び使用済みバッテリーに関する取り組みを報道向けに公開した。
川崎製作所は国内及び輸出向けの小型~大型トラックを製造する同社最大のトラック工場。生産ラインは2つあり、1つは大型のスーパーグレートと中型のファイター、もう1つがキャンターとeキャンターとなっている。
当然ながら、エンジンを搭載するディーゼルのキャンターと、バッテリー・モーターを搭載するEVのeキャンターでは構成する部品が異なる。eキャンターには、エンジンもプロペラシャフトもアフタートリートメントシステム(SCRシステム)も必要ない。その代わり、バッテリーやコンバーターなどを搭載する必要がある。キャビンや骨格は共通するが、構成するパーツは大きく異なっている。
しかし、それを同一の生産ラインで生産しているというのが大きなポイントだ。というのもeキャンターの生産台数にある。
生産本部 生産・計画統括部 組立工作部の西澤 祐介部長は「eキャンターの生産ボリュームは変動があり、多い時と少ない時の差が結構ある。そのため、別のラインにしてしまうと、まったくラインが動かない時が出てしまう。そこで柔軟に対応するために我々は一つのラインで生産しています」。
eキャンターでは、エンジン関連の部品をEV関連の部品に置き換えることになるが、エンジン関連、EV関連で作業者を分けると、稼働しない作業者が出てしまう。そこで同社ではこれを分けずに担当。エンジン車がラインを流れてきたらエンジンを取り付け、eキャンターが流れてきたらバッテリーを同じ作業者が取り付ける、といった具合だ。
ただ、EVではバッテリーなど重い部品が多い。そこで「重量のある部品をハンドリングするための装置にも投資した」(西澤氏)という。またeキャンターは、バッテリーやモーターを冷却するために、ディーゼル車よりも冷却水を多く充填する必要があるが、これに対応するため、設備投資とレイアウト変更を行ったという。
ちなみに欧州市場向けのeキャンターは、ポルトガル・トラマガルにある子会社の三菱ふそうトラック・ヨーロッパ(MFTE)で生産しているが、日本からスペシャリストが組み立て支援を3週間ほど行い、川崎製作所と同様に生産しているという。
<中古EVバッテリーを利用した「EnePOND EV Charger」でeキャンターに充電>

一方、三菱ふそうとCONNEXX SYSTEMS(京都府)が共同で行っている、eキャンターの使用済みバッテリーを定置型蓄電システムおよびEV用充電器にリユースする「EnePOND EV Charger」の実証も公開した。
この実証は2017年に発売を開始した第1世代eキャンターのバッテリーを蓄電池・EV充電ソリューションとして用いるというもの。現在、京都府向日市と川崎製作所構内で実証中。16個の中古EVバッテリーを収納したボックスと、外部定電圧電源用の鉛電池、制御・通信装置の3つで構成され、急速充電用のEV充電器として使用されている。
小型トラックは多くの場合、15年程度使われる。このためeキャンターでは、約8年でバッテリーを交換する。その使用済みバッテリーはリサイクルするわけだが、容量はまだ70%程度残っているという。そこで、この使用済みバッテリーを蓄電池として再利用するというわけだ。蓄電池としては10年程度使えるといい、その後にリサイクルされるという流れである。EVバッテリーを無駄なく使う取り組みである。
EVバッテリーを蓄電池として活用する取り組みは、業界全体で増えている。ただ、中古EVバッテリーは性能、品質のばらつきが大きいことや、ESS蓄電池(エネルギー貯蔵システム)とした場合は高電圧化が必要になるのが課題。これをクリアしたのがCONNEXX SYSTEMS社の技術で、異なる性能の中古EVバッテリーをマトリクス結合し群れとして利用することで、性能・寿命を均等化でき、また無改造で高電圧化(直列接続)できるため高電圧ESSを実現できるという。
三菱ふそうとCONNEXX SYSTEMSでは、この実証で実用性を検証、使用済みEVバッテリーのリユースモデルを確立し、2026年を目標に商業化に向けた取り組みを進めていくとしている。
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