SM物流研究会/東急ストア・サミット「青果物リードタイム」1日延長の効果検証、トラックの見込み手配削減
2026年04月08日 12:13 / 経営
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SM物流研究会は3月24日、「生鮮物流における物流課題の解決」分科会の2025年の活動報告を行った。
2025年は、サプライチェーンが複雑な青果をテーマに「市場流通ビジョンを考える会」と「卸売市場・SM物流研究会」を発足し、勉強会を実施した。
※「市場流通ビジョンを考える会」(代表幹事:磯村信夫)は、2008年に青果・花き・水産市場卸や仲卸等により設立された組織。市場流通の改善方策や長期ビジョンの協議・検討を通じて、卸売市場の機能強化や国民生活と産地の発展・向上に寄与することを目的としている。2024年12月31日時点で、法人会員83社、個人会員10名が加盟している。
勉強会では、市場流通の実態整理・共通理解と課題の洗出しに取り組み、それぞれの課題の根本原因と解決策について協議した。市場流通ビジョンを考える会からは、市場流通の仕組み、全国的に生産体制が大きく弱体化している状況(生産者の離農、異常気象)、さらに「物流2024年問題」により、計画的発注(通常時のLT(リードタイム)2、特売時の計画発注)が必要であることの説明があった。
そこで、協議を進める中で重要性が強く認識されつつある、LT(リードタイム)延長を既に実施しているサミット、東急ストアの状況を共有し、効果を定量、定性の両面から検証し、意見交換を進めた。
従来の成果物流通の仲卸の業務フローをみると、LT1では、12時~24時の間に、小売バイヤーからの発注、卸売会社への発注があり、仲卸は24時までに並行して、分荷作業を進め、商品の引取り(集荷)納品は、深夜24時~2時に行われていた。
この場合、トラックは見込みで手配され、緊急車両の手配もあった。また、納品に間に合うように卸売会社へは見込みで発注し、不足分は仲卸の在庫で工面していた。そのため、不安定な物流・商品供給となっていた。
そこで今回、従来のLT1に対して、丸一日(24時間)を追加するLT2の取り組みを開始した。LT2では、納品前日の12時~24時に間に、小売りバイヤーからの受注、卸会社への発注、商品の引取り(集荷)、仲卸の分荷作業を実施する。そして、従来のLT1に相当する時間帯に、小売バイヤーからの不足分の受注、卸売会社への不足分発注、商品の引取り(不足分集荷)を行う業務フローに変更した。
その結果、事前に必要なトラック台数がわかるため、計画的な運行が可能となった。また、前日の集荷で不足した商品を翌日の集荷で補填(欠品防止・産地統一)できるようになった。さらに、商品不足分の調整、トラブルが減ったため、作業員の負担が軽減され、検品作業時間が増えたため、相対的に鮮度の良い青果を納品できるようになった。
東急ストアは2024年10月、サミットは2024年11月から青果LT2化の効果検証を行っている。「中卸・卸への返品率」「店舗での値下げ・廃棄」については、全ての項目において、削減効果があり、鮮度向上の可能性が分かった。
店舗へのヒアリングでは、肯定的意見として、「商品の鮮度が改善した(返品処理が減った)」「商品毎の産地が統一されるようになった」「商品によってバラバラであった発注サイクルが統一され、発注しやすくなった」という声があった。一方で、「発注数量を考える時間が増えた(予測が困難)」「品切れ、品薄の発生している時間が増加した」「在庫の過小、過剰の振れ幅が大きくなった」という否定的な声があった。
仲卸・卸へのヒアリングでは、「検品作業を十分に行えるようになった」「商品手配、配送便の段取りが容易になった」「発注時間を前倒しできたら、さらに効果が大きくなると予想される」といった声があった。
今回の検証期間は約6カ月間(2024年冬~2025年春)のため季節要因、青果高騰要因を考慮し、引き続き、効果検証を実施している。また、研究会参加企業には、青果LT2化に向けての課題、必要な情報についてのアンケートを実施している。
SM物流研究会の座長を務めるライフコーポレーション執行役員の渋谷剛首都圏PC・物流本部本部長は、2026年度の取り組みについて、「生鮮物流は、2025年度は、青果物流の効率化を目的としたリードタイム延長などの基準策定を進めている。また、青果物の基準策定に続き、水産物の取り組みに着手していきたい」と述べた。
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