公正取引委員会/本局、地方事務所に「取引適正化に向けた」新ポスト設置、価格転嫁・取引適正化を推進
2026年04月14日 17:13 / 経営
公正取引委員会は4月8日から、2026年度の新体制を開始した。同日、岩成博夫事務総長が定例記者会見で、2026年度の組織体制を説明した。事務総長の会見要旨は以下の通り。
公正取引委員会は、これまでも適正な価格転嫁の実現に向けて、下請法の執行強化等、各種取組を実施してきたが、近年の急激な労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を受けて、価格転嫁及び取引の適正化を目的として、2025年5月に下請法を改正し、2026年1月1日から取適法として施行された。そのため、今後は、法改正の実効性を確保すべく、取適法の厳正かつ機動的な執行を行う体制が必要となる。
さらに、我が国においてサプライチェーン全体に取引適正化を浸透させていくためには、取適法に加え、独占禁止法上の優越的地位の濫用規制やフリーランス・事業者間取引適正化等法による規律を組み合わせ、相互に補完させながら執行を行うことが不可欠である。
これらを実現するため、2026年度においては取引適正化の取組を推進させるための体制を整備することとされていたが、4月7日に2026年度予算が成立したことを受け、8日付けで、本局において、課長級の「取引適正化検査管理官」を新設した。あわせて、室長級の「上席取引適正化検査官」というポストについて、既存の3ポストを振り替えるとともに新たに1ポスト新設することで、4つ置く体制を整備した。
これにより、これまで「取引適正化調査室長」の下で行われていた取適法の執行業務と、「フリーランス取引適正化室長」の下で行われていたフリーランス・事業者間取引適正化等法の執行業務とを、取引適正化検査管理官が一元的に統括する。フリーランス取引適正化室では、フリーランス・事業者間取引適正化等法に関する企画立案業務や普及啓発業務、相談業務を引き続き行う。
また、地方事務所におきましても、中部事務所、近畿中国四国事務所、九州事務所に「取引適正化管理官」という本局室長級ポストを1ポストずつ、計3ポストを新設した。これにより、総務管理官が担っていた、取適法の執行業務を行う取引適正化調査課と、フリーランス・事業者間取引適正化等法の執行業務を行うフリーランス課の統括業務について、これを専門に行う管理官が置かれることになり、両法の執行体制が強化された。
定員については、この取引適正化のための取組の推進に関連する59人の増員のほか、競争政策の運営基盤の強化などの4人の増員で、合計63人の増員を行っており、その結果、2026年度末における事務総局定員は計995人となった。
取引適正化のための取組の推進に関連する増員について補足説明すると、取適法の施行に伴う執行体制強化のための体制整備として本局の取引適正化検査官が24人の増員となった。そのほか、地方事務所でも、取引適正化調査官17人及び転嫁円滑化対策調査官10人の計27人の増員となった。
<公正取引委員会の組織図>

出典:公正取引委員会ホームページ(以下同じ)
また、地方事務所のうち近畿・中部・九州の3事務所におきましては、取引適正化管理官及び第二取引適正化調査課が新設され、中国・四国支所にフリーランス課が新設された。このほか、2026年度予算においては、価格転嫁・取引適正化を推進するための人員として、優越的地位の濫用規制に関連した調査に係る人員、いわゆる『優越Gメン』26人、取適法の違反の未然防止や取引適正化の推進に関連する調査関係の人員31人の非常勤職員の増員に必要な予算が含まれている。今後、このように強化された体制の下、取引適正化に向けた取組等をしっかりと進める。
取引適正化検査管理官の新設の効果について、岩成事務総長は、「具体的な話はこれからとなりますが、新しい取引適正化検査管理官は、取適法やフリーランス法の法執行に関して、全体を統括する立場と御理解いただきたい。これまでフリーランス法の執行部門は、取引適正化調査室を擁する企業取引課とは別の課の下に置かれていたわけですが、それらも含めて、広い意味での取引適正化に関するエンフォースメントについて、全体を見る立場の管理職が新設されたということで、全体的な整合性も見ながら、より積極的な法執行が行えるようになると考えている」と答えた。
また、地方事務所の機能強化については、「公正取引委員会の場合は、地域ブロックごとに事務所、あるいは支所が置かれているので、事務所等で完結するような案件というのは、各事務所でやっていく。ただ、全体の方針を検討したり、各事務所と連携を取ったりという意味では、先ほど申し上げた、本局の新しい課長級のポストの者が、しっかり指揮を執って、全体を引っ張っていく。それから、先ほど、法執行の連携という話もありましたけれども、それについても、取引適正化検査管理官において、企業取引課とも連携しながら、他省庁との連携を図っていく」と述べた。
昨年から開始した国土交通省との合同荷主パトロールについては、「先ほど申し上げた取引適正化検査管理官は、まさに法執行に関する担当管理職ということになるので、直接その職にある者が対応するかどうかは分かりませんが、そういった執行連携の取組自体は非常に重要だと思っている。ポリシーサイドと言いますか、方針を示す立場にある者が取組に関わることもあると思いますが、どういったやり方が効果的かは、今後考えていくことかと思っている」と説明した。
また、「先ほど非常勤職員の増員の話もしましたが、非常勤職員には、独占禁止法の優越的地位の濫用に関連した部分を見ていく『優越Gメン』と『取適法の未然防止や取引適正化の推進に関する調査を行う担当』がおり、それぞれの役割を果たしながらやっていく。合同荷主パトロールなどの様々な取組にどういった者がどのように携わるかということについては、個別にこれから考えていくことになると思う」と見通しを示した。
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