ドライバー実態調査/賃上げ実感なし6割も「ドライバーを続けたい」と回答6割(Hacobu調査)
2026年04月15日 11:29 / 経営
Hacobuは4月15日、「2026年トラックドライバー実態調査」を発表した。調査は3月19日~24日、Hacobuが提供するアプリ「MOVO Driver」登録者を中心に、全国のトラックドライバーを対象として、インターネットで実施した。有効回答者数は1516名。
調査では、6割以上のドライバーが「賃金が上がった実感がない」と回答。働き方改革の影響で労働時間や残業が減少した結果、約2割のドライバーは賃金も減少しており、収入面での課題が明らかになった。この背景には、運賃の価格転嫁が十分に進んでいないなど、業界全体の構造的な要因がある。
一方で、仕事を続けたいと考えるドライバーは6割以上にのぼり、安定的な人材確保に向けて、賃金を含む働く環境の見直しが求められている。調査の詳細は次の通り。
<直近1年間で、あなたの収入はどのように変化しましたか>

出典:「2026年トラックドライバー実態調査」(以下同じ)
直近1年間で、収入の変化を尋ねたところ、「変わらない(44%)」、「少し下がった(15.2%)」、「下がった(6.5%)」の合計が6割以上で、賃金が上がった実感を持てない層が中心となった。
収入が減少した理由として最も多かったのは「仕事量(件数・距離)の減少(44.9%)」、次いで「残業・時間外労働が減った(39%)」となった。
2026年の春闘では平均賃上げ率が3年連続5%台と、社会全体で賃上げの流れが続く中、物流領域では働き方改革の影響で残業が減り、残業代が収入を支えていた層ほど「賃上げ=手取り増」につながりにくい状況がある。その結果、ドライバーが賃上げの波から取り残されている実態が浮き彫りとなった。
さらに、中東情勢に伴う燃料価格の上昇でコスト増が進めば、運行にかかる負担は一層重くなる。こうした状況で運賃への価格転嫁が進まなければ、ドライバーの生活不安や担い手不足が一段と深刻化する恐れがある。
一方で、今後もドライバーを続けたいか聞いたところ、「続けたい(31.9%)」「できれば続けたい(33.5%)」となり、合計6割以上を占め、賃金面の課題が浮き彫りとなる中で、職業としてのドライバーへの定着意向の高さが示された。
<直近1年間で、拘束時間はどのように変化したと感じますか?>

直近1年間で、拘束時間はどのように変化したと感じるかでは、「変わらない(50.5%)」が過半数を占め、拘束時間の体感としては“横ばい”が中心であることが分かった。一方で「やや短くなった(36.9%)」も4割近くに上り、働き方改革の影響が現場の実感として表れ始めている。
また、仕事で負担に感じることを複数回答で尋ねたところ、「待機場所を見つけるのが困難(61.7%)」が最多となった。次いで「給与が労働に見合わない(53.8%)」「付帯作業(荷下ろし・積み込み等)(41.1%)」が続いた。
<1回の納品先での荷待ち時間として、最もよく経験する時間は>

1回の納品先での荷待ち時間として、最もよく経験する時間帯を調べたところ、最多は「30分~1時間(45.1%)」で、次が「1時間から2時間(23.0%)」だった。一方で「2~3時間(6.0%)」、「3時間以上(2.5%)」と、現場によっては依然として深刻な荷待ちが残っていることも浮き彫りになった。
直近1年間で、荷待ち時間はどのように変化したと感じるかを聞くと、「やや短くなった(42.5%)」「大幅に短くなった(12.8%)」で過半数を占め、荷待ち削減の取り組みが一定の改善実感につながっていることが明らかになった。
2024年4月にドライバーの時間外労働の上限規制が始まり、2026年4月には改正物流効率化法が本格施行された。荷待ち削減や適正取引など、サプライチェーン全体での改善が求められる一方、現場のドライバーからは依然として長時間労働や荷役の負担、収入への不安の声が上がっている。調査は、こうした実態と変化を定量的に可視化し、持続可能な物流の実現に向けた議論の一助とするために実施した。
■2026年トラックドライバー実態調査
https://hacobu.jp/news/19174/
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