公正取引委員会/東日本宇佐美など軽油販売業者5社を「価格カルテル」で検事総長に告発
2026年04月17日 11:48 / 施設・機器・IT
公正取引委員会は4月17日、軽油販売業者による価格カルテル事件について、独占禁止法に違反する犯罪があったとして、東日本宇佐美など5社を検事総長に告発した。
告発されたのは、東日本宇佐美(東京都文京区)、ENEOSウイング(名古屋市中区)、エネクスフリート(大阪市淀川区)、キタセキ(宮城県岩沼市)、共栄石油(東京都江戸川区)の5社。軽油カルテルでの告発は初めての事例となる。
今回の価格カルテルは、一般消費者に販売する軽油価格を不当に操作したものではなく、軽油販売業者が、物流会社や輸送会社と燃料供給契約を結び企業活動をサポートする、いわゆるフリート事業で行われたものであり、トラック事業者に対する影響が大きい。
犯則審査部の山口正行第一特別審査長は、「被告発会社5社等の多くは、給油所の全国的なネットワークを保有しており、売上高も非常に大きい業界の最大手事業者である。また、軽油はトラック輸送等の物流に不可欠なものであり、国が小売価格の急騰抑制を目的として、元売業者に補助金を支出してきた公共性の高い商材だ。本件行為は、物流コストを増加させ国の政策に逆行し、ひいては物流サービスを利用する国民に損失を与えるものである。さらに、市場シェアが大きいことを考慮して告発相当と判断した」と告発理由を説明した。
公正取引委員会の独自調査によると、2024年10月~12月の3カ月間に東京都内のトラック事業者が購入した軽油の市場規模は約450億円で、告発した5社は相応なシェアを持っている。5社等は、東京都内に交渉窓口を有する運送事業者等に軽油カード等を発行して販売する軽油価格について、価格カルテルの合意をしていた。
具体的には2024年10月24日頃、東京都内の飲食店で面談し、当月の軽油販売価格について、同月1日から元売業者に支払うこととされた手数料が1リットル当たり1円値上げされることに伴って、その値上がり分を含め前月の販売価格から1リットル当たり2円の引上げを目標とし、少なくとも仕入価格の当月の値上がり分及び手数料の値上がり分を販売価格に転嫁して、当月の販売価格を引き上げる旨合意した。
また2024年11月20日頃、東京都内の飲食店で面談し、当月の軽油販売価格について前月の販売価格の維持を目標とし、当月の販売価格の引下げは少なくとも仕入価格の当月の値下がり分までに抑える旨合意した。
さらに12月20日頃、東京都内の飲食店で面談し、当月の軽油販売価格について、前月の販売価格から1リットル当たり2.5円の引上げを目標とし、少なくとも仕入価格の当月の値上がり分を販売価格に転嫁して、当月の販売価格を引き上げる旨合意していた。
今回、石油元売事業者の子会社も告発対象となっているが、軽油元売事業の価格カルテルへの関わりについて山口第一特別審査長は、「石油元売の関係業者であっても、軽油の販売事業者5社等を告発しているのであって、それ以上のことは申し上げられない」と回答を控えた。
また、価格カルテルの影響の範囲については「影響の及んだ範囲をどう見るかは見方によるが、行為の対象になった事業者は、東京都に交渉窓口が存在している運送事業者となる。ただ、その運送事業者が所有しているトラック等の車両は、当然、東京だけを走るわけでなく全国を走っている。その中で、今回の5社等の直営店であったり、提携店であったり、全国のいろんな給油所で給油することになる。そういう意味では、全国に関わる行為であると言える」と答えた。
さらに、今後、課徴金納付命令など、公正取引委員会として行政処分の対象にするのかについては、「行政上の措置を取るかどうかも含めて、今後、行政調査部、委員会が判断することになる。現時点では、見通しは申し上げられない」とした。
■軽油販売業者による価格カルテルに係る告発について(2026年4月17日)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2026/apr/keiyu_kokuhatsu.html
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