全日本トラック協会/経営分析報告書 2024年度決算版を公開、中小事業者の経営厳しい状況続く
2026年04月24日 11:37 / 経営
全日本トラック協会が4月24日に公開した2024年度決算版の経営分析報告書によると、トラック運送業界全体の経営数値は改善傾向にあるものの、人件費、車両費、燃料費等の上昇分に係る価格転嫁が依然として低調で、損益率の改善には事業規模により大きな格差が生じていることがわかった。
この分析は、2023年10月から2025年8月までを対象期間とする2024年度決算(有効数2,631者)の事業報告書及び事業実績報告書に基づき、決算及び経営面を検証したもの。同報告書は1992年度から継続発行しており、今回で33回目。
2024年度の対象期間における営業収益(貨物運送事業収入)は1者平均で2億8521.5万円(前年比8.0%増)で、貨物運送事業における営業損益率は1.0%(前年より0.4ポイント改善)、経常損益率は2.5%(同0.3ポイント改善)となった。
全体で見ると、黒字事業者は営業損益ベースで52%(1,361者)、経常損益ベースでは63%(1,646者)となった。しかし、車両10台以下の区分では、営業赤字が62%、経常赤字が53%に上り、原価上昇分の価格転嫁ができず、厳しい経営を余儀なくされている。業界全体では改善傾向にあると言えるが、中小事業者の数値を見る限り改善しているとは言い難く、状況は道半ばだと報告書では指摘している。
業界では、物価上昇に伴う運送原価の上昇対策として、荷主等に対する運賃・諸料金の価格転嫁を推進している。しかし、市場構造など業界特有の障壁もあり、健全な事業運営が可能な水準までは達していない。
トラック運送を安定的に供給するためには、業界の大半を占める中小事業者の経営安定化を図る必要があり、報告書では、引き続き「荷主等に対する運賃・諸料金の転嫁とDX推進による生産性の向上を早期に実現する必要に迫られている」としている。
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