改正物流法/運送業務の性質上、運行計画にあらかじめ詳細を記載することが困難な場合の対応は?
2026年04月28日 18:08 / 経営
国土交通省は3月30日、「物流効率化法」理解促進ポータルサイト内に、「物資の流通の効率化に関する法律(2005年法律第85号・物流効率化法)荷主Q&A」を掲載した。
Q&Aの中で、偽装請負防止に向けて、トラック事業者に運送業務を委託する際、トラックドライバーとのコミュニケーションの方法として注意すべき事項について触れている。
その中で、運送業務の性質上、運行計画にあらかじめ詳細を記載することが困難な場合、発注者からの指揮命令に該当するとは直ちに判断されないようなケースはあるかについて解説している。
運送業務の性質上、貨物の集貨・配達場所での停車位置や待機場所、貨物の集貨・配達場所からの出発時間は、当日の交通事情や天候、貨物の集貨・配達場所の状況により予測できず、運行計画にあらかじめ正確に記載することが社会通念上困難な場合も多いと考えられる。
こうした事情等を鑑み、以下のケースについては、発注者からの指揮命令に該当するとは直ちに判断されない。ただし、請負労働者の労働時間管理等に影響を与えるような場合は、労働者派遣事業と判断される可能性が高くなる。
まず、運行計画であらかじめ指定された範囲内で発注者の労働者が詳細な停車位置や待機場所を特定し、発注者の労働者から請負労働者に直接伝えること。
ただし、例えば、運送計画における貨物の集荷・配達場所が市町村名のような幅広い区域を示しているような場合であって、運行の都度、発注者の労働者が直接、請負労働者に番地や建物名といった具体的な集荷・配達場所を示すなどの運用は、発注者から請負労働者への指揮命令に該当し、偽装請負と判断される可能性が高くなる。
次に、発注者が出発時までに予測できず、運行計画に当初予定されていなかった集貨・配達先に行く必要が急遽生じるような場合において、発注者の労働者が請負労働者に対して集貨・配達先の追加や変更を伝えること及び請負労働者からの質問に対して発注者の労働者が直接回答すること。
ただし、請負労働者が直ちに当該注文の変更や回答内容を請負事業主に連絡し了解を得る等、請負事業主が自らの労働力を直接利用していると認められる場合に限る。用務先の変更等が、請負事業主の了解無く行われたり、又は請負労働者の労働時間管理その他労働条件に影響を及ぼしたりするような場合は、発注者から請負労働者への指揮命令に該当し、偽装請負と判断される可能性が高くなる。
さらに、発注者と請負事業主との契約に基づき、発注者が、請負労働者に対して契約書に記載していることの履行を求めること。例えば、契約書において各集貨・配達先における到着時間及び出発時間が記載された場合、その履行を求めることができるが、道路事情により荷の延着等が見込まれるときには、発注者は到着時間の再設定・見直しを行う等運送事業者が無理な運行を行うことがないよう協力して安全運行を確保すること。
ただし、発注者が作業の内容、順序、方法等に関して文書等で詳細に示し、そのとおりに請負労働者が作業を行っている場合、発注者による指示その他の管理を行わせていると判断され、偽装請負と判断される可能性が高くなる
また、発注者と請負事業主との契約に基づき、請負労働者に対して、発注者が直接、発注者の施設における集貨や各配達先への配送に関する留意点等を連絡すること。例えば、配送先の入り口を発見する方法、住所特定が困難及び駐車場が見つかりにくい等の問題点並びに配送効率を上げるためのコツなどを含む。ただし、運行計画に影響を及ぼさない範囲の内容に限る。
そのほか、発注者と請負事業主との契約に基づき、発注者が、請負労働者の運行情報(運行経路や各集貨・配達先での滞在時間等)を請負事業主経由で収集し、それらを総合的に分析することにより、請負事業主とともに運行計画全般の改善に取り組むこと。
また、該当する分析結果(個人のパフォーマンスの分析結果を含む)を請負事業主に共有すること。ここで、請負労働者の氏名等の個人情報が含まれる場合には、個人情報保護法等に基づく適正な取扱いが求められる。
ただし、請負労働者個人のパフォーマンスの分析によって、発注者が請負労働者の配置決定及び変更に関与していると判断される場合には、偽装請負と判断される可能性が高くなる。
■「物資の流通の効率化に関する法律(2005年法律第85号・物流効率化法)荷主Q&A」
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001992628.pdf
■「物流効率化法」理解促進ポータルサイト
https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/
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