三菱ふそうトラック・バス/「eキャンター」ワイヤレス充電実証走行を公開

2026年05月12日 17:19 / 施設・機器・IT

三菱ふそうトラック・バスは5月12日、名鉄NX運輸の名鉄トラックターミナル中部(愛知県江南市)で3月末から実施している、小型EVトラック「eキャンター」を使用したワイヤレス充電の実証走行を報道陣に公開した。

<ワイヤレス充電仕様のeキャンター>
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同社によると、実際の物流業務を想定したEVトラックによるワイヤレス充電の実証走行は、今回が国内初だという。

この実証は、環境省の運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業として行っているもの。三菱ふそう、三菱総合研究所、ダイヘンの3社が導入ガイドラインや充電システムの検証、車両への搭載などを行い、名鉄NX運輸が実際に運用し検証する。実証は6月末までを予定している。

ワイヤレス充電は、地面に敷設した送電コイルから電動車側の受電コイルに、ケーブルやプラグを繋がずに電力を供給するもの。駐車場など停車している電動車に対して充電する方式(SWPT)と、道路に連続的に送電コイルを埋設して走行しながら充電可能な方式(DWPT)があるが、今回の実証は前者のSWPTを採用している。

今回導入したシステムは、車両に受電ユニット、受電コイル、ケーブルによる普通充電とワイヤレス充電を切り替えるジャンクションボックスを搭載。駐車場には送電ユニットと送電コイル、車両を適正な位置に停車するための輪留めで構成。

<駐車場に設置された送電コイルと輪留め>
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<車両後部下にはカメラも設置し、運転席のモニターで送電コイルの位置がわかる。送電コイルの赤枠とモニター上の白枠が重なればOK>
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名鉄トラックターミナル中部では、現在5台のeキャンターを集配に使用している。ワイヤレス充電仕様の車両は、この5台とは別に三菱ふそうが用意した1台で、実証期間中は6台のeキャンターが運用されることとなる。このため、通常のeキャンターとワイヤレス充電仕様のeキャンターを同時に比較することができる。

<ワイヤレス充電仕様のeキャンター。ワイヤレス充電のシステムを搭載しているほかは、通常のeキャンターと同じ。Mサイズバッテリーを搭載しており、ワイヤレスの他、通常の急速充電、普通充電でも充電することができる。>
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ワイヤレス充電仕様のeキャンターはドライバンで、食品、資材、原材料等の運搬に使用。名鉄トラックターミナル中部から、近隣の積み降ろし地を回り、1日の走行距離は約50~75kmだという。

充電は普通充電(6kW)とほぼ同等の5kW。帰着後の夜間に行い、約5~6時間で満充電となる。操作はトラックを定位置に停め、ボタンを押すだけで充電が開始され、満充電になると自動的に充電が終了する。ケーブルの抜き差しや収納などがないため、ドライバーの負担が大きく軽減されるという。

<三菱ふそうトラック・バス 林副社長>
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三菱ふそうトラック・バスの林 春樹副社長は、2017年からeキャンターを販売してきた経験から、EVトラックについて「車両の性能だけでは現場に根付くものではない」と指摘。「実際の物流現場で導入後、どのように充電するか、どういった業務に組み込むかが、EVの活用成否を大きく左右する。こうした経緯を踏まえて、EVトラックのエコシステム全体をどう捉えるか、重視してきた」と同社の取り組みを説明した。

さらに、その中でも重要なテーマになるのが、「充電のソリューション」だという。ただ、新しい技術となるため「今回の実証では、完成した技術として示すのではなく、物流事業所という実環境の中で、技術的また運用上の課題を抽出する」と実証の目的を語った。

<名鉄NX運輸 吉川社長>
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一方、名鉄NX運輸の吉川拓雄社長は、実証が行われる江南支店について、eキャンターを5台導入し、集配業務で使用していると説明。その中で「日々の充電にワイヤレス充電を使っていくことが今回の実証の特徴」とし、「それによって、安全性や利便性、ドライバーへの負荷がどのように変化するのか、様々な視点から将来の脱炭素に向けた材料が収集でき、共有していくことができると思っている」と実証の意義について語った。

三菱総合研究所によると、ワイヤレス給電実装については、走行しながら充電可能なDWPTを高速道路・幹線道路など公道に実装するのが最終目標だという。一方で停車時に充電するSWPTの実証・実装を進め、社会にワイヤレス給電の有用性を認知してもらう活動も重要であり、今後は必要な制度整備・補助金制度確立にむけて関係省庁と意見交換を進めていきたいとしている。

ダイムラー・トラック・ファイナンシャルサービス・アジア/小笠原村に「eキャンター」を寄付

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