日本郵便は5月15日、2028年度までの3年間の収支改善計画を発表した。現在、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少、荷物分野における競合他社との激しい競争など、経営環境は厳しさを増しており、2028事業年度の日本郵便単体の当期純損益は、3959億円の赤字となる見込みとなった。
そこで、将来にわたる事業の持続可能性を確保するため、2026年5月に発表した中期経営計画期間の最終年度である2028事業年度までに営業利益と当期純利益を黒字化させるべく、徹底的なコスト削減と収益拡大に取り組む。
<日本郵便>

郵便・物流事業では、コスト削減策として、「要員の最適化」「荷物配達の内製化の推進」「集配拠点の集約」「運送料の削減」「車両の削減」などを実施する。
まず、郵便物の減少に対応するため、柔軟な通集配体制の構築を行い、要員配置の適正化に取り組む。柔軟な通集配体制の構築に向けては、2026年6月までに41局の試行局において効果検証を実施し、その後、取組局を順次拡大することにより、業務量に応じた通集配の要員配置の適正化を図る。
また、さらなる機械化、局内作業等の標準化、業務量波動に対応したスポットワーカーの積極的活用等により内務業務における要員配置の適正化を図るとともに、AIの活用等により間接業務の削減を図る。
荷物配達の内製化の推進では、郵便物が減少する中、柔軟な集配体制への見直し等により、既存社員のリソースを最大限に活用し、荷物配達へシフトすることで、内製化等を推進し、一人当たりの生産性を向上させる。
2025年度との対比で、2026年度は2600人を削減、2027年度は6600人を削減し、配達委託の内製化で400人増加、2028年度は1万人を削減し、配達委託の内製化で3000人増加を計画。最終的には、2025年度対比で7000人程度の削減を計画している。
<郵便・物流セグメントにおける社員数(目標)>

出典:JPプラン2028(日本郵政発表資料)
集配拠点の集約では、持続可能な集配体制を構築するため、特に人口密度が低い地方部においては、段階的に集配機能を集約するなど拠点配置の最適化を図り、オペレーションコストの約50億円の削減とガバナンスの強化を図る。ただし、集配拠点の集約はあくまで、集配機能の集約であるため、窓口業務などは残す方針であり、郵便局の閉鎖を意味するものではない。
集約拠点数を累計で見ると、2026年度に約120カ所、2027年度に約230カ所、2028年度に約500カ所を集約する予定だ。集配機能集約については、中計期間中に500カ所を目指し、自治体等の関係者を含め、調整を行う。また、都市部の拠点においては、将来的な不動産開発が可能となるよう集配機能の分散・集約の検討を推進する。
<集配拠点の集約>

出典:JPプラン2028(日本郵政発表資料)
また、輸送オペレーションを見直すとともに、輸送テレマティクスやAIの活用により、運送便の積載率の向上、区分・輸送方法やダイヤ編成の最適化を図ることにより、運送料の削減を図る。
積載率向上等による運送便数の削減率を2025年度対比でみると、2026年度1.9%減、2027年度3.0%減、2028年3.2%減を計画している。日本郵便の繁忙期を除く平常時の1日の運行便数は約1万1000便であり、数パーセントの削減でも大きな効果が見込める。
車両の削減では、車両数の適正化や維持コストの圧縮のため、業務量に合わせた車両保有台数の見直し等を行い適正化に取り組む。
車両の総保有台数も削減する。白ナンバー化した1トン以上のトラックと計上を合わせた四輪車両については、2026年度に1500両、2027年度に500両、2028年度に500両、合計2500両を削減する。二輪は、2026年度に6000両、2027年度に2000両、2028年度に1500両、合計9500両を削減する。
車両保有台数は、2026年度は四輪2万9500台、二輪7万6000台、2027年度は四輪2万9000台、二輪7万4000台、2028年度は四輪2万8500台、二輪7万2500台となる予定だ。
四輪車は、要員の最適化と集配拠点の集約にともなう荷物配達の内製化の推進により、需要が高まるエリアもあるため、適正な配備数となるように取り組む。
■収支改善計画
■JPプラン2028 郵政ネットワークの持続的発展と成⾧実現
日本郵便/運送事業許可取消で白ナンバー化した1トン以上の車両約2000台を今年度中に売却
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