エンジンオイル/ディーゼルエンジン用「DH-2」製造は前年並み、過剰発注の抑制急務
2026年05月29日 14:19 / 車両・用品
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エンジンオイルの供給不足が一部市場で顕在化する中で、国土交通省がエンジンオイル・アドブルーの供給の偏り・流通の目詰まり解消の対応を強化している。
このような市場動向を受け、トラックニュースでは、エンジンオイルの市場動向について、創業100年を超える、ミカド製油の潤滑油開発部門として1975年に創業したオイルメーカーミカド商事※の三宅満喜男社長に、DH-2規格の供給状況について聞いた。
※ミカド商事の主力商品は、自動車用、二輪車用の高級エンジンオイルのため、大型トラック用のDH-2規格の商品については、対応が難しい。そのため、DH-2規格のエンジンオイルの問い合わせは控えてほしいという。
――DH-2規格のエンジンオイルの供給状況を教えてください。
三宅 供給に関してはDH-2は不足の状況が続いています。この規格は日本の国内規格であり、海外で製造されることがほぼないため輸入オイルで代替えができません。一方で、現在、日本国内では、ガソリンや軽油が供給不足にはなっていません。
DH-2規格のエンジンオイルの原料となるベースオイルは、ガソリンや軽油を精製する過程で必ず発生する製品です。そのため、国内でベースオイル自体が不足している状況は、まずないと言って良いと思います。
DH-2は、日本独自のガラパゴス規格であり、日本国内でしか流通しないエンジンオイルです。そのため、基本的には石油元売り各社が製造しています。また、DH-2の製造には、添加剤が必要となりますが、添加剤についても大きな供給の遅延などは発生していません。
こういった状況を踏まえると、DH-2規格のエンジンオイルは、ほぼ前年並みに製造ができているはずです。
――製造段階では、大きな問題はないと見られているのですね。
三宅 現在、多くの会社は前年並みの量までは製造可能な状況にあります。ベースオイルについては、グループ1・2・3とも価格は上がっていますが、前年の数量までは購入が可能です。また、添加剤は、一部添加剤に納品遅れが出ていますが、基本的に前年の数量まで購入可能な状況です。
一方で、石油製品であるポリ容器は不足しています。納品が大きく遅れたり、入らないものが出ているようです。またドラム缶も中を洗浄する石油系の溶剤不足やドラムの外観に使用する塗料の不足などで不足が目立ちます。
――今後の供給見通しをどう見られていますか。
三宅 今回の供給不足は、供給不安による流通各段階での過剰発注が大きな要因となっていると思います。各社とも前年並みの製造はできているはずなので、受注が落ち着けば、供給が追い付くと思います。
市場は混乱していますが、国内メーカーは安定供給に向けて最大限努力しています。必要な数量を適切に注文していただければ、順次お届けできる体制は維持されています。この点について、みなさまのご理解とご協力を賜りたいと思います。
なお、ミカド商事では、自社公式ホームページに「オイルマニアブログ」を開設しており、不定期にオイルに関する情報を発信している。
【補足】
5月29日に経済産業省が発表した「石油統計速報」2026年4月分によると、エンジオイルを含む潤滑油全体の製油所段階での生産数量は13万8901キロリットル(前年同月比4.9%増)、月末在庫数量は13万5138キロリットル(10.4%減)となっている。一方、ポリ容器等の原材料となるナフサの生産数量は90万6660キロリットル(22.8%減)、月末在庫数量は91万4965キロリットル(8.1%減)となった。この数字からも、三宅社長の考察が的確なものであることがうかがえる。
6月12日には、潤滑油について、ガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン油、その他車両用といった品目別の「製造業者・輸入業者の消費者・販売業者向販売、在庫内訳」の4月分の統計数値が発表される予定だ。この統計の数字で、ディーゼルエンジン油についての市場全体の動向が明らかになる。
■オイルマニアブログ
https://www.mikadooil.com/blog/
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