マツダ、日本通運/物流でのバイオディーゼル燃料普及に向け完成車輸送で実証を開始
2026年06月03日 09:05 / 施設・機器・IT
マツダと日本通運は、バイオディーゼル燃料(HVO)を使用した完成車輸送トレーラーの実証走行を5月より開始した。
山口県防府市内のマツダ防府西浦工場と中関完成車プール場間(往復約12km)で2026年度末までを目処に実施し、燃費・性能・運用課題を検証するとともに、普及拡大に向けた知見を蓄積する。
車両はいすゞ「ギガ」(2PG-EXD77CG)2台を使用。現在、西浦工場から中関完成車プール場まで複数の車両でシャトル運行をしているが、その中の2台を用い、1日あたり20往復程度運行する。
使用する2台のトレーラーは、いすゞ自動車の協力のもと、従来の軽油と同等の運用・点検体制での稼働を可能としている。また、バイオディーゼル燃料はNX商事が調達する。
使用するバイオディーゼル燃料は、ユーグレナ社が製造する「サステオ」。軽油に廃食油や植物油などを原料とするHVO(Hydrotreated Vegetable Oil:水素化植物油)を51%混合した次世代バイオディーゼル燃料で、軽油規格に適合しており、軽油同様にディーゼルエンジン車の公道走行に使用可能な燃料としている。HVOも走行時にはCO2を排出するが、このCO2はもともと植物が光合成する前の大気中のCO2であるため、カーボンニュートラルになる。
しかし、バイオディーゼル燃料が普及し需要が増加すると、廃食油は量に限りがあるため、廃食油由来のバイオディーゼル燃料では供給量が不足する。このためマツダでは、微細藻類由来のバイオディーゼル燃料を本命視し、開発を進めている最中だ。ただし、現状はまだ開発段階のため、今回の実証では、まず脱炭素に向けてバイオディーゼル燃料の有効性をデータとして積み上げることを優先し、廃食油由来のサステオを使う。
なお、年度末まで実証を実施した場合、通常の軽油と比較して約半分の40トン程度のCO2削減になるという。実際の効果としては小さいが、マツダとしては「まず一歩目を築くことが大事」とし、「これを起点に将来はもっと大きな効果につなげたい」と説明。今回の完成車輸送以外にも、今後は部品物流のトラック等にも導入していきたいとしている。
6月2日に行った記者説明会で、マツダの経営戦略本部カーボンニュートラル・資源循環戦略部 深川 健氏は「物流領域の脱炭素手段として、EVトラックや燃料電池トラックなど車両の電動化もあるが、すべての車両を電動化するということは、事業者にとっても非常に大きな負担」と指摘。そこでマツダは、バイオディーゼル燃料が物流分野において有効な脱炭素施策になり得るとし、今回の実証に至ったと説明した。
また、実証については、現在のオペレーションを一切変更せず、燃料のみを切り替えて実施することで、燃費や車両性能、運用面への影響を確認したいとし、「この取り組みを起点にして、他の物流事業者や燃料供給事業者、地元企業の皆様との連携を広げていきたいと考えている」と述べた。
さらに深川氏は、実証走行による実績を積み重ね、その結果を共有することで、「バイオディーゼル燃料が、脱炭素施策の1つとして社会に定着するというところまでを目指し、将来にわたり内燃機関を活かしていくという道筋の1つにもしたい」と述べ、「物流業界と自動車業界の両業界において、脱炭素の現実的な選択肢として根付くように取り組んでいきたい」と期待を語った。
一方、日本通運の執行役員モビリティセールス部担当 佐々木 治氏は「環境負荷の低減に貢献する事業に取り組むことで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するということを、重要な経営課題として掲げている」とNXグループとしての方針を説明。「ただ、一方で脱炭素化には課題がまだまだ多い」とした。
その上で佐々木氏は「その中で、今回のバイオディーゼル燃料の取り組みは、私ども物流事業者にとって魅力的な、いわば即戦力のソリューションといえると思っています」とコメント。最大のメリットは、現在使用している車両をそのまま活用できる点だとし、「特別な車両を準備することなく、温室効果ガスの排出削減に貢献できる、この現実的かつ即効性の高い手法は、物流現場が、いま進められる手段の1つであると考えています」と説明。「この実証走行を単なるテストに終わらせるつもりはありません。ここで得られた知見を活かして、さらなる活用の可能性を広げていきたい」と話した。
最新ニュース
一覧- Japan Mobility Show Bizweek 2026/商用車4社が自動運転や環境対応などの取り組みを披露 (10月13日)
- 経済産業省/企業へ不正アクセス増加で注意喚起、被害発生時の情報提供も呼びかけ (10月13日)
- スカニア/大和ハウスグループ企業が台湾で修理工場を開発 (10月13日)
- 日本石油輸送/社員インタビュー公開「2028年卒新卒向け1day仕事体験」実施 (10月13日)
- ZEAL.TEAM/11月1日開催のトラックフェスタ2026に初出展 (10月13日)
- 北海道運輸局/2025年度「大型車車輪脱落事故」北海道は33件で全国最多 (10月13日)
- JL連合会/ローカルネット説明会を開催、新規会員開拓に手応え (10月13日)
- 鹿児島労働局など/1日で8社と出会う「運輸・物流会社説明会」10月23日開催 (10月13日)
- 関東運輸局/26年9月10日、トラック事業者22者許可、貨物利用運送5者登録 (10月13日)
- 九州運輸局/26年9月、一般貨物21者許可、第一種利用運送9者登録 (10月13日)
- 近畿運輸局/26年10月13日、トラック事業者16者を新規許可・全社5両スタート (10月13日)
- 関東運輸局/甲斐市の指定自動車整備事業者に保安基準適合証等の交付停止命令 (10月13日)
- トラック最前線/なぜ日野はダカールを走り続けるのか?8.5t・828psの参戦車両に乗って見えた「究極の実験場」 (10月09日)
- いすゞ自動車/「ディスクロージャーの改善が著しい企業」に初認定 (10月09日)
- アジアンウエイ「トラック流通センター」/希望車両の入荷をLINEで知らせる新サービスを開始 (10月09日)
- 日本商工会議所/物流コストを価格転嫁できた企業は40.5%で足踏み状態(2026年早期景気観測調査) (10月09日)
- 連合/「価格転嫁で労使の情報交換」春闘妥結額に影響、トラック業界あり1万116円・なし5870円 (10月09日)
- 全日本トラック協会/9月の求車登録件数、14.2%増の16万4129件 (10月09日)
- 全日本トラック協会/重さ指定道路77区間・高さ指定道路169区間を国土交通省・警察庁に要望 (10月09日)
- 資源エネルギー庁/8月「軽油」全国平均卸価格は0.3円値下りの111.0円、神奈川・福井など8県値上がり (10月09日)



