公正取引委員会/トレーラ製造販売やガソリンのカルテル・不当廉売など2025年度の独占禁止法違反事件の処理状況公表
2026年06月08日 17:33 / 経営
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公正取引委員会は6月8日、2025年度における独占禁止法違反事件の処理状況を発表した。
2025年度においては、生活必需品であるガソリンを対象とした価格カルテルをはじめとする多数の価格カルテル、東京オリンピック・パラリンピック関連の入札談合、自動二輪車の卸売業等を営む事業者によるディーラーに対する優越的地位の濫用等に厳正に対処したほか、キャッシュレス決済のネットワーク分野における拘束条件付取引被疑事案、大手タイヤメーカーによる自動車用オールシーズンタイヤの再販売価格の拘束被疑事案等について確約手続を利用し、効率的かつ効果的に対処した。
2025年度においては、独占禁止法違反行為について、延べ26名の事業者に対して、11件の排除措置命令を行った。排除措置命令11件の内訳は、価格カルテル7件、入札談合2件、不公正な取引方法2件となっている。価格カルテル・入札談合9件の市場規模は、総額2870億円超となった。
また、独占禁止法違反被疑行為について、4名の事業者に対して、4件の確約計画の認定を行った。違反被疑行為の内訳は、優越的地位の濫用2件、再販売価格の拘束1件、その他の拘束・排他条件付取引1件だった。
確約計画の認定は、確約手続に係る通知を受けた事業者から申請された確約計画を公正取引委員会が認定するという、独占禁止法に基づく行政処分。公正取引委員会は、認定した確約計画に従って確約計画が実施されていないなどの場合には、当該認定を取り消し、確約手続に係る通知を行う前の調査を再開することとなる。
その他の拘束・排他条件付取引とは、再販売価格の拘束以外の拘束・排他条件付取引を指す。
トラック運送業界に関連する事案としては、「特装車製品の製造販売業者による価格カルテル事件」「トレーラの製造販売業者による価格カルテル事件」「長野県石油商業組合北信支部による価格カルテル事件」があった。
特装車製品では、極東開発工業、新明和工業は共同して、特定特装車製品の販売価格を引き上げる旨を合意していた。そのため、2025年9月24日に排除措置命令(1社)・課徴金納付命令(1社)を行った。課徴金総額は26億189万円。
トレーラの製造販売では、日本トレクス、東邦車輛は共同して、特定トレーラの販売価格を引き上げる旨を合意していた。そのため、9月24日に排除措置命令(1社)・課徴金納付命令(1社)を行った。課徴金総額は33億2364万円。
長野県石油商業組合北信支部による価格カルテル事件では、長野県石油商業組合北信支部は、支部員が販売する特定揮発油について、その販売価格の改定額及び改定時期を決定し、支部員に対し、当該決定に基づいて特定揮発油の販売価格の改定を実施させていた。そのため、2025年11月26日に排除措置命令(1名)及び課徴金納付命令(17社)を行った。課徴金総額は1億1658万円。
なお、審査の過程において、長野県石油商業組合北信支部(以下、北信支部)の支部長が、長野県石油商業組合(以下、長野県石商)の職員に対し、特定揮発油等の販売価格の改定額等を、その決定の都度報告し、当該職員は、当該改定額等を長野県石商の役員に共有していた事実が認められた。
そのため、公正取引委員会は、長野県石商に対し、今後、長野県石商が独占禁止法違反行為を容認することがないよう、また、長野県石商及び長野県石商の各支部で北信支部による本件違反行為と同様の行為が行われることがないよう、「排除措置命令の内容について、長野県石商の役員、職員及び組合員に周知すること」「独占禁止法の遵守についての行動指針を作成し長野県石商の役員、職員及び組合員に周知徹底すること」「長野県石商の役員、職員及び組合員を対象とする独占禁止法の遵守についての定期的な研修を実施すること」を申し入れた。
また、2025年度は、警告に加え、各事案の内容を踏まえて、注意等の事案についても、事案の概要を公表することにより、独占禁止法や競争政策上の問題点を広く周知するなどの処理を行った。
違反の疑いのある行為が認められた9件について、関係事業者に対し、事前説明を行った上で警告・公表を行った。内訳は、価格カルテル2件、優越的地位の濫用4件、不当廉売1件、抱き合わせ販売等1件、競争者に対する取引妨害1件。
そのほか、違反につながるおそれのある行為がみられたものであって、競争政策上公表することが望ましいと考えられる事案であり、かつ、関係事業者から公表する旨の了解を得た4件について、注意・公表を行った(拘束条件付取引又は競争者に対する取引妨害4件)。
また、中小事業者等に不利益を与える行為への対応として、重点的に取り組んでいる不当廉売への取り組みについても発表した。
不当廉売では、2月19日に村上商事に対する警告を行った。村上商事は、京都府福知山市に所在する2給油所において、2025年7月1日から8月31日までのうちの一定期間、レギュラーガソリンについて、その供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、該当する給油所の周辺地域に所在する他のレギュラーガソリンの販売業者の事業活動を困難にさせるおそれを生じさせた疑いがあった。
現在、公正取引員会では、国民生活に影響の大きい事案として、酒類、石油製品、家電製品等の小売業に係る申告に対し迅速処理を行い、不当廉売につながるおそれがある事案に対し注意を行っている。
2025年度は、酒類7件、石油製品124件、家電製品0件、その他28件、合計159件の注意を行った。注意では、繰り返し注意を受けた事業者に対する取り組みを強化しており、フォローアップ調査等を実施している。
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