改正物流特殊指定/着荷主規制導入「特定着荷主」「特定発荷主」の定義新設

2026年06月17日 13:30 / 経営

公正取引委員会は6月17日、「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合等の特定の不公正な取引方法」(改正物流特殊指定)を公表した。改正物流特殊指定は4月1日から施行する。今後、改正物流特殊指定の施行に向けた周知活動を行う予定で、夏ごろをめどに説明資料を公開する予定だ。

改正物流特殊指定では、着荷主と発荷主との取引(物品の販売、製造請負、修理請負又は情報成果物の作成請負における継続的な取引)を新たに対象として追加。

着荷主が、発荷主に対し、「自己のために物品の運送の役務以外の役務その他の経済上の利益の提供をさせること」「運送の内容の変更をさせ、又はその運送を行った後に運送のやり直しをさせること」を運送事業者を通じて行わせることによって、発荷主の利益を不当に害する行為を「禁止行為」として定めた。具体的には、「契約外の荷待ち・荷役を運送事業者を通じて行わせること」を禁止行為としている。

特定着荷主の禁止行為は、荷下ろしの場面で運送事業者による荷待ち・荷役等が生じている実態等を踏まえ、物流分野において、発荷主との間で物品の販売等の取引関係にある者が、取引の目的物たる物品の引渡しを受ける場合に、取引の相手方である発荷主に対し、その引渡しについて指示できる取引上の地位を利用して、運送事業者を通じて荷役作業・附帯業務等の提供や運送の内容の変更等をさせることにより、発荷主の利益を不当に害することが生じやすいことから、物流分野における不公正な取引方法の1つとして物流特殊指定に追加された。

改正物流特殊指定では、「事業者が業として行う販売における継続的な取引の相手方としてその目的物たる物品の引渡しを受けるもの」「事業者が業として請け負う製造における継続的な取引の相手方としてその目的物たる物品の引渡しを受けるもの」「事業者が業として請け負う修理における継続的な取引の相手方としてその目的物たる物品の引渡しを受けるもの」「事業者が業として請け負う作成における継続的な取引の相手方としてその目的たる情報成果物が記載され、記録され、若しくは化体された物品の引渡しを受けるものであって、当該事業者との間で所定の規模要件(資本金3億円、資本金1000万円、従業員300人)又は取引上優越した地位の要件を満たす事業者を「特定着荷主」の適用対象としている。

特定着荷主が、禁止行為を行った場合、物流特殊指定違反となり、注意、警告、確約計画の認定、排除措置命令といった行政処分を受けることになる。

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物流特殊指定の対象(出典:公正取引委員会発表資料)

また、現行の物流特殊指定に、中小受託取引適正化法(取適法)での改正点を反映。従業員基準の追加、手形払等の禁止・協議に応じない一方的な代金決定の禁止規定の追加などを行った。

今回、改正物流特殊指定備考を改正し、「特定荷主」の定義を再定義したほか、「特定着荷主」「特定発荷主」の定義を新設した。

■改正物流特殊指定備考(参照条文)
第1項(特定荷主)
この告示において「特定荷主」とは、次の各号のいずれかに該当する事業者をいう。
一 資本金の額又は出資の総額が三億円を超える法人たる事業者であって、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が三億円以下の法人(資本金の額又は出資の総額が三億円を超える事業者の子会社を除く。次項第一号において同じ。)たる事業者に対し物品の運送又は保管を委託するもの

二 資本金の額又は出資の総額が千万円を超え三億円以下の法人たる事業者であって、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人(資本金の額又は出資の総額が千万円を超える事業者の子会社を除く。次項第二号において同じ。)たる事業者に対し物品の運送又は保管を委託するもの

三 常時使用する従業員の数が三百人を超える法人たる事業者であって、常時使用する従業員の数が三百人以下の個人又は法人たる事業者に対し物品の運送又は保管を委託するもの(第一号又は前号に該当する者がそれぞれ次項第一号又は第二号に該当する者に対し物品の運送又は保管を委託する場合を除く。)

四 物品の運送又は保管を委託する事業者であって、受託する事業者に対し取引上優越した地位にあるもの(第一号、第二号又は前号に該当する者がそれぞれ次項第一号、第二号又は第三号に該当する者に対し物品の運送又は保管を委託する場合を除く。)

第2項(特定物流事業者)
この告示において「特定物流事業者」とは、次の各号のいずれかに該当する事業者をいう。
一 個人又は資本金の額若しくは出資の総額が三億円以下の法人たる事業者であって、前項第一号に規定する特定荷主から継続的に物品の運送又は保管を受託するもの

二 個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者であって、前項第二号に規定する特定荷主から継続的に物品の運送又は保管を受託するもの

三 常時使用する従業員の数が三百人以下の個人又は法人たる事業者であって、前項第三号に規定する特定荷主から継続的に物品の運送又は保管を受託するもの

四 前項第四号に規定する特定荷主から継続的に物品の運送又は保管を受託する事業者であって、当該特定荷主に対し取引上の地位が劣っているもの

第3項(特定着荷主)
この告示において「特定着荷主」とは、次の各号のいずれかに該当する事業者をいう。
一 資本金の額又は出資の総額が三億円を超える法人たる事業者であって、個人若しくは資本金の額若しくは出資の総額が三億円以下の法人たる事業者が業として行う販売、業として請け負う製造(加工を含む。以下この項において同じ。)若しくは業として請け負う修理における継続的な取引の相手方としてその目的物たる物品の引渡しを受けるもの又は当該事業者が業として請け負う作成における継続的な取引の相手方としてその目的たる情報成果物(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(昭和三十一年法律第百二十号)第二条第七項に規定する情報成果物をいう。以下この項において同じ。)が記載され、記録され、若しくは化体された物品の引渡しを受けるもの

二 資本金の額又は出資の総額が千万円を超え三億円以下の法人たる事業者であって、個人若しくは資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者が業として行う販売、業として請け負う製造若しくは業として請け負う修理における継続的な取引の相手方としてその目的物たる物品の引渡しを受けるもの又は当該事業者が業として請け負う作成における継続的な取引の相手方としてその目的たる情報成果物が記載され、記録され、若しくは化体された物品の引渡しを受けるもの

三 常時使用する従業員の数が三百人を超える法人たる事業者であって、常時使用する従業員の数が三百人以下の個人若しくは法人たる事業者が業として行う販売、業として請け負う製造若しくは業として請け負う修理における継続的な取引の相手方としてその目的物たる物品の引渡しを受けるもの又は当該事業者が業として請け負う作成における継続的な取引の相手方としてその目的たる情報成果物が記載され、記録され、若しくは化体された物品の引渡しを受けるもの(第一号又は前号に該当する者が、それぞれ次項第一号又は第二号に該当する者から第一号又は前号に規定する物品の引渡しを受ける場合を除く。)

四 事業者が業として行う販売、業として請け負う製造若しくは業として請け負う修理における継続的な取引の相手方としてその目的物たる物品の引渡しを受ける事業者又は事業者が業として請け負う作成における継続的な取引の相手方としてその目的たる情報成果物が記載され、記録され、若しくは化体された物品の引渡しを受ける事業者であって、これらの物品を引き渡すために行う運送を他の事業者に委託するものに対し取引上優越した地位にあるもの(第一号、第二号又は前号に該当する者が、それぞれ次項第一号、第二号又は第三号に該当する者から第一号、第二号又は前号に規定する物品の引渡しを受ける場合を除く。)

第4項(特定発荷主)
この告示において「特定発荷主」とは、次の各号のいずれかに該当する事業者をいう。
一 個人又は資本金の額若しくは出資の総額が三億円以下の法人たる事業者であって、前項第一号に規定する特定着荷主に対し同号に規定する物品を引き渡すために行う運送を他の事業者に委託するもの

二 個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者であって、前項第二号に規定する特定着荷主に対し同号に規定する物品を引き渡すために行う運送を他の事業者に委託するもの

三 常時使用する従業員の数が三百人以下の個人又は法人たる事業者であって、前項第三号に規定する特定着荷主に対し同号に規定する物品を引き渡すために行う運送を他の事業者に委託するもの

四 前項第四号に規定する特定着荷主に対し同号に規定する物品を引き渡すために行う運送を他の事業者に委託する事業者であって、当該特定着荷主に対し取引上の地位が劣っているもの

第5項(みなし特定荷主・みなし特定物流事業者)
事業者がその子会社に対し継続的に物品の運送又は保管を委託し、子会社がその運送委託に係る運送の行為又はその保管委託に係る保管の行為について再委託をする場合において、再委託を受ける事業者が、運送又は保管を委託する当該事業者から直接運送委託又は保管委託を受けるものとすれば備考第二項各号のいずれかに該当することとなる事業者であるときは、この告示の適用については、再委託をする事業者は特定荷主と、再委託を受ける事業者は特定物流事業者とみなす。

特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合等の特定の不公正な取引方法

改正物流特殊指定/「運送の役務以外の役務」「取引の相手方」など考え方を公表

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