中小企業庁/トラック運送の価格交渉実施率「全業種で最下位」価格交渉できず13.3%

2026年06月30日 11:33 / 経営

中小企業庁は6月26日、価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査の結果を公表した。

価格交渉の実施状況の業種別ランキングを見ると、トラック運送は、調査対象の32業種中最下位の32位だった。

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価格交渉の実施状況の業種別ランキング(出典:中小企業庁)

トラック運送業が発注企業となった場合の価格転嫁の実施状況の業種別ランキングでも、トラック運送は最下位の32位となった。トラック運送事業者が発注者になる場合は、元請、一次請け、二次請け、三次請けといった多重下請構造が背景にある。コスト増に対する転嫁率は、34.5%(2025年9月調査対比0.2ポイント減)だった。

各要素別の転嫁率を見ると、原材料費31.0%(0.3ポイント減)、エネルギー費31.4%(1.0ポイント増)、労務費31.3%(0.3ポイント増)となった。

一方で、トラック運送業が受注者となった場合の価格転嫁の実施状況の業種別ランキングでは、トラック運送は31位だった。

コスト増に対する転嫁率は、36.9%(0.4ポイント増)、各要素別の転嫁率を見ると、原材料費32.2%(0.3ポイント減)、エネルギー費34.2%(0.3ポイント増)、労務費33.5%(0.1ポイント減)となった。

価格転嫁の全体の傾向として、受注者として価格転嫁してもらえている業種(上位にある業種)は、発注者としても価格転嫁に応じている傾向が見られた。トラック運送は、受注者としても発注者としても価格転嫁が進んでいない業種であることが浮き彫りになった。

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中東情勢の変化による影響の有無(出典:中小企業庁)

また、発注側企業との価格交渉・価格転嫁の状況について、今般の中東情勢の変化による影響の有無を調査したところ、トラック運送は、影響あり30.7%、影響なし36.4%、不明32.9%となった。

全体では、「影響があった」と回答した企業は全体の約2割。「影響なし」が約5割、「影響は不明」が約3割。「影響あり」と回答した企業の割合が高い業種は、石油製品・石炭製品製造業、紙・紙加工業、トラック運送業などだった。

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直近6か月間における価格交渉の状況(出典:中小企業庁)

業種毎の直近6か月間における価格交渉の状況を見ると、トラック運送は、「コストが上昇し、発注企業から申し入れがなく、受注企業から交渉を申し出たが、応じてもらえなかった」3.6%。「コストが上昇したが、発注企業から申し入れがなく、発注減少や取引停止を恐れ、交渉を申し出なかった」9.3%、「コストが上昇し、発注企業から申し入れがあったが、発注減少や取引停止を恐れ、発注企業からの申し入れを辞退した」0.4%だった。

合計で13.3%は、価格交渉に応じてもらえなかったり、発注減少や取引停止を恐れ、価格交渉をしなかったことが明らかになった。

一方で、「発注企業から、交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた」24.6%、「受注企業から、発注企業に交渉を申し出、価格交渉が行われた」40.1%となり、合計64.7%で価格交渉が行われていた。

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直近6か月間における価格転嫁の状況:コスト全般(出典:中小企業庁)

さらに、直近6か月間における価格転嫁の状況を見ると、全く価格転嫁できなかった企業は0.7%、価格転嫁できずコスト増を自己負担している企業が22.6%となった。

一方で、「10割(コスト増の全て)を転嫁できた企業」は9.7%、「7割~9割」は12.4%、「4割~6割」は10.5%、「1割~3割」は30.0%。「価格転嫁不要」は14.1%だった

アンケート回答企業からの具体的な声では、「多重取引構造で中間マージンが差し引かれ、元荷主と直接交渉できず価格転嫁が進まない」「値上げ交渉すると他社切替えを示唆され、コスト増を自社負担せざるを得ない状況にある」といった声があった。

他方、「高速代を運賃と別建てで支給されるようになり、実費負担の軽減と運行条件の改善につながった」「交渉の場を積極的に設けていただき、納得できる価格改定も行っていただける」といった改善事例も見られた。

中小企業庁では、調査結果を受け、問題ある事業者に対しては、受託中小企業振興法に基づく、「助言」「指導」「勧奨」を実施し、価格転嫁の推進をサポートしている。

価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査結果

公正取引委員会/荷主779名に注意喚起文書・105名に立入調査「2025年度荷主と物流事業者との取引調査」

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