全日本トラック協会/九州トラック協会の要請を受け「飼料部会」新設

2026年07月13日 18:07 / 経営

全日本トラック協会はこのほど、飼料部会を新設した。2024年11月に、九州トラック協会から全日本トラック協会に対し、飼料輸送における安全面や効率面での課題について、全国規模での解決の要望があったことに対応した。

今回、全国の19社、オブザーバーとして、九州トラック協会のほか青森県、茨城県、群馬県、熊本県、宮崎県、鹿児島県の7件のトラック協会が参加。7月13日、全日本トラック総合会館で第1回飼料部会総会を開催した。

部会長として、FK物流(宮崎県)の福田博代表取締役社長が選出された。副部会長として、行方運輸(茨城県)の熊谷茂穂代表取締役社長、釜渕運送(青森県)の釜渕嘉与代表取締役社長、藤井運送(岡山県)の藤井和利代表取締役を選出した。

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福田部会長

福田部会長は、「全日本トラック協会の飼料部会の会長に選出していただき、ありがとうございます。まだまだ未熟で何もできないと思いますけど、みなさま方のご指導・ご鞭撻を仰ぎながら、全日本トラック協会の初代の飼料部会の会長として頑張りいきたい。飼料輸送については、問題が山積している。皆さんもご存じの通り、静岡の方の養豚場では、選択的殺処分が行われました。また今年の6月には、東北の福島県で飼料輸送を行っている運送会社の社長が、逮捕されるという本当に大変な問題が発生した。これは過積載が原因で逮捕された。このような問題がないように、やはり日本の畜産を守っていくためにも、やはりコンプライアンスを学びながら、自分たちの大事なドライバーを守っていくためにも農水省、厚労省、国交省にも陳情していきながら頑張ります」とあいさつした。

部会設立時の会員企業は、岡村運輸(北海道)、釜渕運送(青森)、行方運送(茨木)、群馬くみあい運輸(群馬県)、太平洋エクスプレス(千葉)、魚沼陸送整備(新潟)、JA亜グリエール長野(長野)、北陸トラック運送(福井)、清水飼料運送(静岡)、藤井運送(岡山)、大西運送(愛媛)、トランスポート田川(福岡)、松浦通運(佐賀)、幸運トラック(長崎)、丸喜運送(熊本)、豊後通運(大分)、FK物流(宮崎)、末吉運送(鹿児島)、高良運送(沖縄)の19社。今後、部会に参加する企業は順次、増加する予定だ。

飼料輸送については、主に「危険な高所作業」「非効率な運送」が課題となっている。危険な高所作業では、ドライバーが畜産農家(着荷主)において飼料貯蔵タンクへ飼料補充作業を行う際、タンク設備老朽化等に起因する転落事故が発生している。また、ドライバーが畜産農家独自の添加剤をバルク車の上部に担ぎ上げ、バルク車タンクに投入する際、ヒヤリハット事例が発生している。

非効率な運送では、畜産農家自らの飼料残量の管理不足により、突発的なオーダーが発生し、小ロット・多頻度の非効率な運送実態がある。また、農家の飼料貯蔵用タンクの在庫の確認、バルク車のタンクへの添加剤の投入、発注代行、配送計画作成など、契約にない付帯業務が多くなっている。

これまで、鹿児島県・宮崎県の両トラック協会の飼料・畜産輸送部会が中心になって合同部会の開催や国・県等への要請活動を行ってきた。2024年には、九州ブロックにおける持続可能な飼料・畜産輸送業務の実現に向け、喫緊の課題共有と解決に向けた取り組み等を全国に発信・波及させていくために、九州ブロック飼料・畜産部会を発足していた。

2025年10月、九州を除く、全国8ブロック協会に対し、飼料輸送に係る課題の状況、全日本トラック協会飼料部会設置要望の有無を確認したところ、12月までに5ブロック協会から、同様の課題があり、全日本トラック協会飼料部会の設置を要望する旨の回答があった。以上を踏まえ、飼料輸送に係る課題解決のため、全国的な取組が必要であることから、全日本トラック協会の定款に基づく部会の設置について、第214回理事会において承認された。

理事会において説明した飼料部会の事業目的は、「畜産農家(着荷主)における飼料荷卸し時の高所作業の安全確保」「飼料輸送における種々の付帯作業その他非効率な運送実態の改善」となっている。

現在、所管官庁である農林水産省では、「飼料の安定供給に向けた飼料輸送の合理化の取組の徹底について」の畜産局長通達を発出している。また、「飼料輸送に関する全国連絡会議」を開催し、全国各都道府県での実態調査や現場ヒアリング等も実施され、全国共通の飼料輸送の危機的課題等が確認されている。

このため、農林水産省のほか、国土交通省や厚生労働省も交えたスピード感ある対策の検討・実施をするため、本省レベルでの連携・対応をするため、全日本トラック協会での部会の発足が必要となった。

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