アーチオン/日野と三菱ふそうのコネクテッドデータを統合し、物流インフラ課題を解決へ

2026年07月31日 13:26 / 施設・機器・IT

🎧 この記事を音声で聴く

日野自動車と三菱ふそうトラック・バスを統括するアーチオンは、日野・三菱ふそうのトラックのコネクテッドデータを統合し、物流インフラの課題解決を支援するデータ分析サービス「Logita(ロジータ)」を7月より開始した。異なるメーカー間でコネクテッドデータを統合したデータ分析を社会・産業用途へ活用する取り組みは、国内商用車業界では初。

「ロジータ」は、日野・三菱ふそうの商用車に標準装備された通信機から収集される位置情報、走行距離、車速、安全装置の作動状況などの膨大な実走行データを高度に分析・可視化することで、自治体、官公庁、および建設コンサルタントなどが抱える課題に対して、データに基づく施策立案を支援するデジタルソリューション・サービス。

20260731archion 4 1024x525 - アーチオン/日野と三菱ふそうのコネクテッドデータを統合し、物流インフラ課題を解決へ

データの集約・分析は、日野自動車グループの情報システム会社である日野コンピューターシステム(HCS)が行い、同社がサービスを提供する。

HCSは、これまで日野の車両から得られるデータをもとに、物流の課題解決や都市・交通政策の立案を支援するサービスとして「日野コネクティッドデータサービス」を提供してきた。「ロジータ」は、このサービスに新たに三菱ふそう車のデータを加えて発展・拡大するものだ。

20260731archion 3 1024x521 - アーチオン/日野と三菱ふそうのコネクテッドデータを統合し、物流インフラ課題を解決へ

「ロジータ」の概要イメージ

日野の約25万台に、新たに三菱ふそう約25万台のデータが加わることで、接続車両数は約50万台へと拡大し、これまで以上に精度の高い分析が可能になる。

そして、それ以上に重要なのが、小型トラックのデータが増加すること。日野の主力は中大型トラックのため、従来の「日野コネクティッドデータサービス」では、把握できる物流動態は高速道路や幹線道路が主となっていた。今回、小型トラックを強みとする三菱ふそうの車両データが加わることで、生活道路における交通流動の変化や、道路環境に関する新たな分析や洞察が可能となる。

7月30日に都内で開催したメディア向けの説明会で、アーチオンの萩原恭太郎IT本部本部長は「小型トラックの要素を入れることによって、いわゆるラストワンマイルで使われるような道路の状況の可視化や、そこで起こってる社会課題をつまびらかにする、そのような部分が我々のお役立ちの場として提供できるのではないか」と説明。「そこで、この両者のデータを統合した上で社会課題に対して取り組んでいく、このようなことを進めていこうと決断した」と述べた。

20260731archion 1024x683 - アーチオン/日野と三菱ふそうのコネクテッドデータを統合し、物流インフラ課題を解決へ

アーチオン 萩原恭太郎IT本部本部長

収集されるデータは「位置情報」、車両の走行距離や車速、エンジン回転数、ワイパーやウインカー作動状況などの「動態情報」、急加速・急減速などによる「安全装置作動」に関する運転情報など。 これらのデータを分析することで、車両が滞留しやすい場所や事故が起きやすい場所、路面の状況など、多くの情報を得ることができる。

20260731archion 6 1024x521 - アーチオン/日野と三菱ふそうのコネクテッドデータを統合し、物流インフラ課題を解決へ

コネクテッドデータからわかること

データ取得頻度は最大で「1秒に1データ」レベルで粒度が高い。これにより、道路インフラの劣化状況把握や交通状況分析などにおいて、より詳細で価値の高い分析を可能にしている。

一方、同様の取り組みは乗用車業界でも行われている。ただしトラックと乗用車では、得られるデータの内容が異なると、日野コンピューターシステムの重藤崇志ソリューション推進部部長は説明。「トラックは、1日の平均走行距離が乗用車に比べて圧倒的に多い。さらにトラックの車両総重量は3.5トンから25トンある。25トンのものが動いたというところは価値になります。また、時間帯についても、乗用車では稼働が減る夜間も、トラックは24時間365日稼働しているので夜間の分析にも使える」と解説した。

20260731archion 5 1024x580 - アーチオン/日野と三菱ふそうのコネクテッドデータを統合し、物流インフラ課題を解決へ

トラックデータの特徴

加えて、同じクルマが毎日同じルートを通ることもトラックの特性とし、「例えば災害が起きた時、前はここを通ってたけれど、どこを通ったのか。こういうところも分析できる」。

その上で、圧倒的に特徴的なのは「トラックが移動した、イコール物流が動いたということです。乗用車は人が移動したということで、意味合いが異なる」と、トラックのデータならではの重要性を強調した。

これにより、自治体、官公庁、企業等の顧客は、データに基づいて道路インフラの維持管理や交通政策の立案、防災・減災対策、水素ステーションの立地分析、カーボンニュートラル施策が可能になる。具体的には、大雪時の車両立ち往生の早期検知や災害時の避難・迂回ルートの検討、道路修繕計画の高度化などに活用することができる。

なお、ロジータのサービス提供方法は4つ。自分で分析したい顧客に向けた「Logitaデータ」、分析結果を知りたい顧客向けの「Logitaレポート」、クラウド連携できる「Logita API」、コネクティッドデータを自由に操作・解析できる「Logitaダッシュボード」が用意されている。

アーチオンは、今回の取り組みについて、グループのCASE領域において、輸送社会への価値提供につながる具体的なシナジー創出事例とし、データ基盤を活かし、人とモノをつなぐモビリティとデータの力を通じて、両社の強みを掛け合わせることで、これまで見えなかった物流の姿を可視化し、社会インフラの高度化に貢献していくとしている。

20260731archion 2 1024x683 - アーチオン/日野と三菱ふそうのコネクテッドデータを統合し、物流インフラ課題を解決へ

(左から)アーチオン 萩原恭太郎IT本部本部長、三菱ふそうトラック・バス フロリアン・ローシュ モビリティトランスフォーメーションコネクティビティ&デジタルサービス部長、日野コンピューターシステム 重藤崇志ソリューション推進部部長

アーチオン/26年度のグローバル販売台数6%増の見通し

トラックニュースはトラックに関するB2B専門の
ニュースを平日毎朝メール配信しています

メルマガ無料登録はこちら

施設・機器・IT に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧