極東開発工業/研究開発中核拠点を竣工、製品開発スピードを加速
2026年08月21日 09:30 / 施設・機器・IT
極東開発工業は8月20日、愛知県豊田市に建設したグループの研究開発を担う新たな中核拠点「極東開発グループ テクニカルセンター」の竣工式を実施した。

同センターは、テストコースを中心に、環境・油圧試験、振動試験、ロードシミュレータによる実車評価を行う3つの試験棟、試作・検査に対応する工場棟、開発・品質保証部門が集う事務所棟で構成。車両や製品の試作から、部品単位の試験、車両全体の耐久評価、実車走行の確認までを一貫して行える環境を整備している。

テクニカルセンターの全景
総工費は約107億円。名古屋・横浜・福岡・三木工場および日本トレクスの技術者約70名が集結する。これまで各拠点で培ってきた技術や知見、研究開発に携わる人材、試作・試験・評価設備を集約することにより、研究開発の質とスピードを高める。開発部門と品質保証部門を同一拠点に配置することで、設計、試作、試験、評価、改善のサイクルを迅速化する。多様な製品分野の専門技術者が連携することで、新たな技術や製品の創出も促進したいとしている。

極東開発工業 布原社長
同社の布原達也社長は、同施設について「2030年に向けた長期経営計画の中で、卓越した技術と確固たる品質で業界をリードするとしているが、このテクニカルセンターはそれを実現する要の施設」と紹介。「最大限活用して研究開発能力を飛躍的に向上させ、社会に役立つ革新的な製品の開発を通して未来社会に貢献し、日本のみならず世界をリードする特装車・トレーラメーカーに成長していきたい」と抱負を語った。

UDトラックス 伊藤社長
来賓を代表して挨拶に立ったUDトラックスの伊藤公一社長CEOは、物流、建設、環境など、それぞれの現場で求められる役割を果たす働く車が社会インフラとして必要とされているとし、「その役割を実現しているのが架装パートナーの皆様の高度な技術と創意工夫。このテクニカルセンターが、日本の特装車技術、日本のものづくりの技術力をさらに高める新たなマイルストーンとなることを確信している」と述べた。
また日本自動車車体工業会の冨山 隆会長は、自動車業界はカーボンニュートラルへの対応、電動化や自動化技術の進展、人手不足への対応など、大きな変革の時代を迎える中、「特装車業界も安全性や環境性能のさらなる向上に加え、多様なニーズに対応した付加価値の高い製品開発がこれまで以上に求められている。その中で、このテクニカルセンターは、単なる研究開発施設にとどまらず、新しい技術や価値を創造し、時代を担う人材を育成する重要拠点になるものと確信している」と挨拶。「ここから生み出される技術やアイデアが、極東開発工業のさらなる成長はもとより、特装車業界全体の発展につながっていくことを大いに期待している」と語った。

テストコース
テストコースは、トレーラのオーバル走行試験に対応する全幅50m×全長600m。コースの舗装はmm単位の平坦度で施工した非常に高い剛性の多層構造としているほか、中心部には100mの特殊試験路を設置し、車両の走行試験や制動試験、またトレーラの認証取得にも活用。実車試験をいつでも行える環境を確保することで、トレーラ開発の精度とスピードが格段に向上するという。

石畳の凹凸を再現した「ベルジアン路」
特殊試験路は、石畳の凹凸を再現した「ベルジアン路」、走行時に変化する左右の位相を再現した「長波形路」、自由に突起量を設定できる「可変突起路」の3種類を設定。厳しい環境・状況で使用される特装車やトレーラに求められる耐久性を定常的に実車で評価できる。
試験棟は、環境・油圧試験を行うA棟、振動試験を行うB棟、大型ロードシミュレータを備えるC棟を設置。
このうち、特にC棟のロードシミュレータは、中型・大型トラックからトレーラを実車状態で丸ごと振動評価できるもので、国内では初、世界でも5例目となるもの。現在工事を進めており、2027年4月の稼働開始を予定している。車輪間隔と軸間距離を車両に合わせて調整できる3軸対応の加振台と、トレーラの連結部を支持・加振する第5輪加振機を備え、幅広い車種・車両寸法に対応できるという。

ロードシミュレータ
また、製品の試作設備と完成車両の法規対応検査設備を備えた工場棟も設置。成形・機械加工設備で試作を効率化し、検査設備により厳正に検査する。設計部門と試作部門が密に連携することで、機能、生産性などを早期に検証し、製品開発の効率化を図る。
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