厚生労働省/トラック事業者に対する監督指導事例2件・送検事例2件を公表

2026年08月25日 12:55 / 労務

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厚生労働省は8月17日、2025年度の自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況を発表した。その中で、トラックじ事業者に対して行った監督指導の事例を公表した。

■トラック事業者に対し、長時間労働の削減及び改善基準告示の遵守等を指導
【事例1】
スーパーマーケットに食品のルート配送を行っているトラック運転者に、時間外・休日労働に関する協定(以下「36協定」)で定めた特別延長時間を超える違法な時間外労働(1か月当たり最大125時間、年間1328時間)が認められたため、是正勧告した。

改善基準告示に関し、「1か月の総拘束時間が労使協定で定める月の拘束時間(310時間)を超えていること」「1日の拘束時間が15時間を超えていること」「休息期間が継続9時間を下回っていること」「連続運転時間が4時間を超えていること」が認められたため、是正勧告した。

また、休憩時間について、労働時間の途中に少なくとも1時間与えていない状況が一部認められたため、是正勧告した。さらに、健康診断結果について、有所見者に対して医師からの意見聴取を行っていなかったため、是正勧告した。

・是正勧告を受けた対応
会社側は、是対象者の運行記録の分析、当事者からのヒアリングを行い、長時間労働の要因は、減車による過密運送にあると判断した。

そこで、人員を補充し、運行スケジュール・運行間のインターバルを見直すとともに、荷主企業に対して配送ルートの変更を依頼し、時間外労働の削減に取り組んだ。

荷主企業の協力を得る必要があったことから、事業主から取引先の荷主企業に申し入れを行い、従来よりも運行間のインターバルを拡大した運行スケジュールへの変更について調整することができた。

休憩時間についても、荷主企業に相談し、荷下ろし作業後に、駐車スペースを休憩のために利用させてもらうなど、確実に休憩時間を取得できるよう調整することができた。健康診断結果について医師からの意見聴取を実施した。

上記対応の結果、トラック運転者について、1か月当たりの時間外・休日労働時間が100時間未満、総拘束時間が310時間以内となるなど、労働基準法違反、改善基準告示違反、労働安全衛生法違反が是正された。

【事例2】
長距離輸送を行っているトラック運転者に、36協定で定めた特別延長時間を超える違法な時間外労働(1か月当たり最大108時間、年間1026時間)が認められたため、是正勧告した。

改善基準告示に関し、1か月の総拘束時間が労使協定で定める月の拘束時間(302時間)を超えていることが認められたため、是正勧告した。

時間外・休日労働時間数が月80時間を超えたトラック運転者に対して医師の面接指導等の実施に努めるよう指導した。

法違反の解消に向けて、労基署の労働時間相談・支援班が訪問支援を実施し、労働時間の上限規制等の説明及び働き方改革推進支援センターの利用勧奨を行った。

・是正指導を受けた対応
取引先の荷主企業を訪問し、長距離輸送の運行実態を提示して、改善に向けて協力を依頼したい事項を具体的に協議したところ、高速道路の利用、入場時間の変更、土曜出勤の回数減、運賃の見直し等の協力が得られた。

また、月80時間を超える時間外・休日労働を行った労働者に対して医師との面談を希望するかどうか、確認を行うとともに、全労働者に対して、医師との面談制度について周知を行った。

上記対応の結果、トラック運転者について、1か月当たりの時間外労働が80時間以下、総拘束時間が284時間以内になるなど、労働基準法違反及び改善基準告示違反が是正された。

■トラック事業者の送検事例
【事例1:違法な時間外労働を行わせた疑い】
トラック運転者から長時間労働に関する相談があったことを契機に監督指導を実施した。

調査の結果、長距離輸送を行っているトラック運転者(2名)に対し、36協定で定める延長時間(1か月当たり98時間)を超えて違法な時間外労働(1か月当たり最大167時間)を行わせていたことが発覚した。

トラック事業者に対しては、過去に複数回違法な長時間労働について労働基準法第32条違反を是正勧告していたが、毎回、一時的な改善を図るにとどまっており、法違反が繰り返されている実態が認められた。

そのため、36協定で定める延長時間を超えて、労働者に時間外労働を行わせたことを受け、事業場(法人)及び取締役について、送検している。

【事例2:時間外労働等に対する割増賃金を一部支払わなかった疑い】
トラック運転者から実際の労働時間に見合った残業代が支払われていない旨の申告があったことを契機に監督指導を実施した。

調査の結果、時間外労働及び深夜労働に対する割増賃金について、固定残業代(4万5000円)しか支払わず、実際に支払うべき割増賃金(約11万円)を支払っていないことを確認し、是正勧告した。

しかし、事業者は是正に応じず、かつ同様の法違反を繰り返していたため、送検した。

具体的には、労働者1名に対し、法定の労働時間を延長して労働させた時間の一部について、通常の労働時間の賃金計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなかったこと。

労働者2名に対し、午後10時から午前5時までの間(深夜)において労働させた時間について、通常の労働時間の賃金計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなかったことを受けて、事業場(法人)及び代表取締役について、送検している。

■自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況
https://www.mhlw.go.jp/content/11202000/001731858.pdf

■労働基準監督署等が自動車運転者を使用する事業場に対して行った令和7年の監督指導、送検等の状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75192.html

厚生労働省/2025年度はトラック3175事業場に監督実施、うち2564事業場(80.8%)で法令違反

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