アーチオン/中型トラック相互供給から「統合プラットフォーム戦略」スタート、商品競争力を強化

2026年08月26日 17:58 / 経営

日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは8月26日、新型中型トラックを両ブランドから発表したが、これについて両社を統括するアーチオンは、グループの成長戦略の中核「統合プラットフォーム戦略」の第一歩であると説明した。

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アーチオンの統合プラットフォーム戦略は、大きく2つに分けられる。まず「早期」として、既存のプラットフォームを相互供給し、顧客のニーズに素早く対応する。今回、日野レンジャーを三菱ふそうに新型ファイターとして供給したが、今年度内には三菱ふそうから日野にeキャンターを供給し、両ブランドのラインアップを拡充。個社では応えきれなかった両ブランドの顧客ニーズに迅速に応えていく。

一方、中長期の取り組みでは、開発も含めて統合していく。アーチオンの小木曽聡CTOは26日に都内で行った会見で、ブランドは異なっても、トラックに対するニーズは共通のものが多いと説明。「パワートレーンやエレクトロニクス、コネクテッド、自動運転など、共通して開発できる部分が多い」とし、三菱ふそうと日野では、顧客からの要求が異なることもあるものの、「かなりの部分が統合できる」と述べた。

現在、日野と三菱ふそうの技術者は、担当部門ごとにお互いの拠点に集まり開発を進めている。これまで両社がそれぞれ蓄積してきたデータを共有するなどしており、これによって開発スピードは格段に早まるという。

また、日野は国内に強く、三菱ふそうは海外に強いといった仕入先の基盤や、株主であるダイムラートラックやトヨタからの技術支援、生産拠点の使い分けなども含め、「どれかに寄っていくというのではなく、良いところを組み合わせて、より良いものを作っていく」とし、「結果として、商品力を向上させ、世界各地域の三菱ふそうと日野の顧客ニーズに応え、会社の収益に貢献していく。そのために部品の種類を適正化したり、スケールメリットを拡大していく」と説明した。

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小木曽 聡CTO

なお、アーチオンは、2032年度に販売台数28万台を目標に掲げ、早期と中長期の内訳は非公表だが、このうちの85%を統合プラットフォーム戦略によるものとしている。

ただ、統合プラットフォームでは、パワートレーン、エレクトロニクス、シャシー、コネクテッド、自動運転からキャブまで統合する計画だ。これによりスケールメリットが期待されるが、同時に両ブランドの商品面での違いは細部に限られることにもなり、差別化が難しいのが課題といえる。

国内商用車メーカーでは、いすゞとUDトラックスも合併を予定しているが、この場合、中小型のいすゞと大型のUDという組み合わせのため、スムーズな統合が予想される。一方で日野と三菱ふそうは、どちらも小型から大型までフルラインアップするブランドであり、市場では競合関係にある。今後の両ブランドの方向性や立ち位置についてアーチオンでは明言していないが、統合プラットフォーム戦略の進展に合わせ、こちらにも動きが出てくるものと注目される。

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