国土交通省/適正原価設定の有識者会議「1990年規制緩和から制度疲労」を是正

2026年08月27日 18:31 / 経営

国土交通省は8月26日、第2回「適正原価の設定に向けた有識者検討会」を開催した。

人事異動により、岡野まさ子大臣官房総括審議官から業務を引き継いだ原田修吾大臣官房総括審議官兼物流統括調整官は、「2024年問題は、ここ数年はじまったものではなく、1990年の規制に緩和にさかのぼる。その中で、制度疲労が生じている。適正原価を設定することで、荷主と物流事業者がお互いに納得する形の交渉の基準となる」と適正原価を設定することの意義を説明した。発言の要旨は次のとおり。

20260827harada - 国土交通省/適正原価設定の有識者会議「1990年規制緩和から制度疲労」を是正

原田大臣官房総括審議官兼物流統括調整官

原田総括審議官は、2024年問題を契機に、物流政策は今、大きなうねりとなって動いていると指摘。これまで歴任した、自動車局総務課長や九州運輸局長としての現場経験からも、物流の実態を肌で感じており、現在は「制度・予算の両面において、政府全体で物流へ本格的に取り組む強い流れができている」と述べた。

その上で、2024年問題の根源は、30年以上前の1990年『物流二法』による規制緩和にまでさかのぼる。規制緩和は多様なサービスを生んだ一方、30年以上の激しい競争環境をもたらした。運送事業者が荷主に正面から向き合い続ける中で、相当な制度疲労が起きているのが実態であると課題を整理した。

また、三者一体の取り組みと「新たな価値」への転換が必要と述べた。「物流事業者・荷主・消費者の3者が一体となって取り組む現状は、非常に心強い。荷主と物流事業者がお互いを『大切なパートナー』として再定義し、信頼関係を築くことが重要である。物流を単なる『コスト』ではなく、『新しい価値を創造するサービス』へ発展させる流れを作りたい」と有識者会議への期待を寄せた。

さらに、適正原価を荷主と物流事業者をつなぐ重要なツールであると位置づけ、「適正原価」には、2つの意味があると指摘した。運賃・料金の関係を明確にし、お互いが納得して交渉するための「交渉の基準」であり、適正原価を継続して下回る事業者には、国がイエローカードを出し、市場からの退出を促す厳しい基準となると解説した。

最後に、「物流事業者には、適正原価を『己を律する基準』として自覚していただきたい。この基準を最大限に活用し、荷主との適切な関係構築を進める必要がある。適正な原価の受け取りをトラックドライバーの賃金引き上げに直結させ、物流業界の好循環につなげていくことを強く期待する」と語った。

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