運輸・倉庫/「何歳まで活躍してほしいか?」業界平均は68.6歳で農林水産業に次ぐ高年齢
2026年09月15日 14:04 / 労務
帝国データバンクは9月11日、企業が期待する「活躍年齢」に関する動向アンケートを公表した。調査は9月4日~8日にインターネットで実施、有効回答企業数は1289社。規模別内訳は、大企業170社、中小企業1119社(うち小規模企業450社)。業界別では、運輸・倉庫は54社が回答した。
自社の従業員に何歳ごろまで活躍してほしいと思うか尋ねたところ、全体の平均は67.9歳だった。企業からは、「働ける方は健康であれば75歳までは働いてほしい」(運輸・倉庫、埼玉県)や「人生100年時代に、70歳ぐらいまでは活躍してほしい」(情報サービス、福岡県)といった声が聞かれた。
規模別にみると、「小規模企業」が68.3歳、「中小企業」が68.1歳、「大企業」が66.8歳となり、企業規模が小さくなるにつれて平均年齢は高くなった。企業からは、「中小企業にせっかく入社してくれたのだから、長く勤務してほしいと考える」(電気機械製造、長野県)や「中小企業には新しい人材が入りにくく、昔からの人材を活用していくしかない」(鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売、長野県)といった声があがった。
業界別では、『農・林・水産』が70.1歳で唯一70歳を超え、『運輸・倉庫』(68.6歳)、『サービス』(68.5歳)と続いた。一方で、『建設』は67.4歳と全業種のなかで一番低かった。企業からは、「昨今の気候等で夏の作業は過酷だが、担い手不足もあり65歳までは現場で頑張ってほしい」(建設、兵庫県)や「大手ゼネコンでは、高齢者の場合、現場に入ることを制約されるので60歳以上は難しい」(建設、兵庫県)との意見も聞かれた。夏場の建設現場は高温での作業となり、農・林・水産業と異なり落ち着く時期もなく、体力が求められる。さらに、ゼネコンなどでは独自の安全基準を設けるほか、2026年4月からは労働安全衛生法改正により高年齢労働者の労働災害防止対策が努力義務化され、安全面を考慮して高齢になるほど活躍しづらくなる。
さらに、「正社員不足で、若手がおらず、技術の伝承が芳しくない」(機械・器具卸売、愛知県)や、「人員確保に苦慮しており経験者にいてもらう方が安心」(建設、岩手県)というように、人手不足により長く働いてほしいとの声がみられた。また、「若手採用が厳しいなか、経験値が高い従業員は貴重」(鉄鋼・非鉄・鉱業、埼玉県)や「求人を出しても雇用確保が難しい。資格や経験が必要な業務であり、若い世代を育てるためにも長く勤めてほしい」(メンテナンス・警備・検査、北海道)と、人材募集を行っても応募が少なく、既存の従業員の継続的な勤務に依存する企業もあった。
業務に精通したベテラン従業員の重要性を感じており、健康である限り活躍してほしいと願う企業がある一方で、求人を出しても集まらない企業や若手人材が定着しない企業などでは人手不足を背景として、できるだけ長く活躍し続けてほしいという意見が寄せられた。
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