経済産業省/「エッセンシャルサービス効率化先進実証モデル集」公表、ヤマト運輸等事例掲載
2026年09月18日 17:08 / 経営
経済産業省は9月2日、地域の生活基盤を支えるサービス(エッセンシャルサービス)の持続性確保に向けて効率化に取り組む先進的な実証モデルをとりまとめ「エッセンシャルサービス効率化先進実証モデル集」として公表した。
運送業では、上野ガス配送センターによる「LPガス配送ノウハウを活かした伊賀地域における物流プラットフォームの構築 」(三重県伊賀市)、WkTによる「青森県下北半島 地方共同混載輸送による生活必需品アクセス維持モデル」(青森県下北半島)、ヤマト運輸による「北海道過疎地域の商流連携を基盤とした配送一括管理システムによる共同輸配送」(北海道道北・オホーツク)の3つの事例を紹介している。
上野ガス配送センターは、グループ会社のLPガス事業者(アポロ興産)と配送の共同化を行うことで、より少ない人⼿でLPガス配送事業を維持。
余剰リソースを活用し、LPガス配送事業で得た配送ノウハウ(需要家マッピングシステム等で把握した顧客情報など)を活用して顧客の買物代行や宅配サ-ビス等の配送サービスを展開することで地域に役立つ物流プラットフォームを目指す。
また、その際地域の物流事業者とも連携することで、二重配送を減少させ、地域全体で効率的な物流網の構築に貢献している。
WkTは、青森県内の下北半島以南の集約拠点で流通大手企業2社とヤマト運輸の荷物をそれぞれ1便に集約。共同配送管理と数値の見える化により費用按分・配車最適化を推進。運行・作業の効率化を通じて総労働時間を削減し、1人時あたり売上高の向上を目指す。
また、競合を超えた流通大⼿企業2社とヤマト運輸と既存インフラの有効活用により商圏を維持・拡大。 実証後は対象地域を順次拡大し、規模の経済で幹線輸送コストを低減する。
ヤマト運輸は、道北エリアの課題に対応した。日本の食料基盤である北海道の過疎地域においては、人口減少に伴う売上低下や、原油高やドライバー不足による物流費の高騰がAコープ等の小規模小売店の店舗経営を圧迫。各卸業者が個別にトラックを⼿配し、1店舗に対して複数台が納品する「商流ごとの単独輸送」も高コスト輸送の要因となっている課題があった。
この課題に対し、ヤマト運輸は宅配の枠にとどまらず、サプライチェーン全体を最適化する「地域ロジスティクスシステム提供者」として参画した。
各卸・小売業者が情報を安全に共有できるプラットフォームを提供し、上流の卸売業者側の商流・物流情報を、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯の別も考慮しながらシステムで整理。多種多様な商品情報を一元化することで、輸配送網を根本から再構築し、業界を横断した効率的な共同輸配送を実現させた。
日本各地で人口減少や少子高齢化による人手不足が進展する中、小売、物流、交通、医療、介護など生活を維持するために必要なサービス(エッセンシャルサービス)の供給不足が全国的な課題となっている。
経済産業省はこうした状況を踏まえ、2026年6月に公布された改正産業競争力強化法において、エッセンシャルサービスの供給維持に向けた効率化に取り組む事業者を認定し、金融支援等を行う「認定エッセンシャルサービス制度」を創設した。
また、あわせて効率化を実施する事業者への伴走支援を行う支援機関の認定制度、その支援機関等を構成員とする協議会の設置を行う規定を新設した。
認定制度の開始にあたって、事業者に事業効率化の取組を具体的にイメージしてもらえるよう、先進的な効率化の取組をまとめた「エッセンシャルサービス効率化先進実証モデル集」を作成した。
事例集では、制度創設に先立ち実施しているエッセンシャルサービス効率化の実証事業(2026年度生活維持役務等効率化促進事業費補助金)の採択事業者に協力を得て、補助事業内外で行う取組をもとに、小売、物流、交通、医療、介護など様々な分野における効率化の先進実証モデルを紹介している。
■エッセンシャルサービス効率化先進実証モデル集
https://www.meti.go.jp/files/000004088.pdf
■「エッセンシャルサービス効率化先進実証モデル集」を公表します
https://www.meti.go.jp/press/2026/09/20260902003.html
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