公正取引委員会/センコー、南日本運送倉庫への勧告など2025年度の取適法の運用状況発表
2026年06月12日 13:00 / 経営
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公正取引委員会は6月10日、2025年度における中小受託取引適正化法(取適法)の運用状況と中小事業者等の取引適正化に向けた取組を発表した。
■勧告件数39件は1989年以降では過去最多
2025年度の勧告件数は39件。違反行為類型の内訳は、不当な経済上の利益の提供要請が31件、製造委託等代金の減額が6件、返品が6件、不当な給付内容の変更等が1件、買いたたきが1件だった。また、中小企業庁長官からの措置請求に基づく勧告件数も9件となった。
勧告の総件数、中小企業庁長官からの措置請求に基づく勧告件数は、いずれもは、1989年以降で最多となった。
勧告のうち、運送業務に関連する(不当な経済上の利益の提供要請、減額)主な事件として、センコーと南日本運輸倉庫の事案がある。
センコーは、荷主から請け負う貨物の運送を下請事業者に委託しているところ、2022年12月から2025年11月までの間、下請事業者17名に対し、自社が管理する施設内において、自己のために無償で荷積み及び荷卸し並びにその他運送に附帯する業務を行わせることにより、下請事業者の利益を不当に害していた。
2022年12月から2024年3月までの間、自社が貨物の荷積み又は荷卸しの準備を終えていなかったなど自社の都合により、下請事業者19名に対し、自社が管理する施設内において、自己のために無償で貨物の受渡しのための待機を長時間行わせることにより、下請事業者の利益を不当に害していた。
そのため、不当な経済上の利益の提供要請を行わないこと等について、取締役会の決議により確認すること。下請法の遵守体制を整備することが勧告された。
南日本運輸倉庫は、自社が荷主から請け負う食品の運送の全部又は一部を下請事業者に委託しているところ、2024年6月から2025年9月までの間、下請代金の額を減じていた。
具体的には、「元請管理手数料」等の額を下請代金の額から差し引き又は支払わせていた。また、下請代金を自社の指定する金融機関口座に振り込ませる方法で支払わせた際に、振込手数料の額を支払わせていた。
そのため、今後、下請代金の減額を行わないこと等を取締役会の決議により確認すること。下請法の遵守体制を整備することが勧告された。
■取適法違反被疑事件の指導件数は8261件・自発的申出の件数は増加傾向
取適法違反被疑事件の指導件数は、8261件。指導件数には違反のおそれのある行為に対する指導件数を含む。うち、役務委託等に関する事案は、2924件だった。役務委託等とは、2024年度以前においては情報成果物作成委託・役務提供委託を、2025年度においては情報成果物作成委託、役務提供委託及び特定運送委託を意味する。
現在、公正取引委員会は、委託事業者の自発的な改善措置が中小受託事業者の受けた不利益の早期回復に資することに鑑み、当委員会が調査に着手する前に、違反行為を自発的に申し出、かつ、中小受託事業者に与えた不利益を回復するために必要な措置等、自発的な改善措置を採っているなどの事由が認められる事案については、委託事業者の法令遵守を促す観点から、中小受託事業者の利益を保護するために必要な措置を採ることを勧告するまでの必要はないものとして取り扱うこととし、この旨を公表している。
2025年度の自発的申出は53件、うち処理した自発的申出の件数は49件、自発的申出による原状回復金額は12億1019万円、自発的申出により現状回復を受けた中小受託事業者数は1234名。
十川雅彦取引適正化検査管理官は、「近年は、企業のコンプライアンスへの意識の高まりもあり、大手企業が勧告を受けた場合、同業他社が自主的に調査をして、違反行為を自ら申告する事例が増えている。勧告による波及効果がある」と自主的申出の現状を説明した。
■2025年度における中小受託取引適正化法(取適法)の運用状況と中小事業者等の取引適正化に向けた取組
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2026/jun/260610.html
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