外国人ドライバー採用/3割の企業が増員予定、一方で日本語能力や交通安全意識に不安も
2025年11月06日 13:51 / 経営
レバレジーズが運営するエッセンシャルワーカー向けキャリア支援サービス「レバジョブ」が実施した調査で、約3割の企業が外国人ドライバーの採用人数を増やすと回答したことがわかった。
調査は今年9月、物流・旅客事業のドライバー採用担当者・経営者321名を対象に、外国人ドライバーの採用実態に関して実施したもの。
まず、外国人ドライバーの雇用経験については「現在雇用している」と回答した企業が17.4%、「過去に雇用したことがある」と回答した企業が19.3%となり、約4割の企業が雇用経験を持つことが分かった。
また採用時に重視するのは、「日常会話レベルの日本語能力(53.6%)」が「業務レベルの日本語能力(26.8%)」を上回り、言語能力が重要視されていることが確認された。
外国人ドライバーの採用人数については、約3割の企業が「増やす予定」と回答。物流・旅客業界における外国人材の活用が進む兆しが表れている。
ただ一方で、採用における不安要素も少なくない。具体的には「日本語でのコミュニケーション能力(63.2%)」が最も多く、次いで「日本の交通ルール・安全運転意識の理解(47.0%)」や「顧客からの評判(20.2%)」といった課題が挙げられている。外国人ドライバーの活躍に期待を寄せる企業も存在する一方で、言語や国内交通ルールの習熟度に関する懸念が障壁となっている。
<外国人ドライバーの採用時に感じている不安要素(複数回答)>

さらに、2025年10月からの外国免許切替の厳格化については「必要性を感じる(50.2%)」または「どちらかというと必要性を感じる(22.4%)」と回答した企業が7割を超えた。
この制度が外国人ドライバーの交通ルール理解促進や交通事故のリスク減少につながるとする期待がある一方で、「多様な人材の確保が困難になる」と懸念する声も挙がっている。外国人材の採用が制約されることで、人手不足問題が悪化する可能性も示された。
レバジョブの事業責任者は、今回の調査結果について「外国人ドライバーが人手不足を解消する重要な一手として期待されていることが分かったが、日本語能力や交通ルールの理解、安全運転に関する懸念が依然として課題である」と述べた。また、「2024年に適用された時間外労働規制や2025年の外国免許切替厳格化、さらに特定技能への自動車運送業追加といった変化を受け、外国人材の活用が加速する見込みだ」とし、制度の見直しや育成体制の構築が必要であるとの認識を示した。
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