ロジテック/原価高騰も補填できない企業が多数、物流現場の実態調査結果を公表
2023年06月14日 14:33 / 施設・機器・IT
人材不足や2024年問題など大きな課題に直面している物流業界において「現場の実態はどうなっているのか」。キャムコムグループのロジテックが行った調査で、物流企業の7割が原価高騰の影響を受けているが、多くの企業でその補填ができていないことがわかった。
同社では、物流企業で働く全国の1000名超を対象に定期調査を実施しており、今回公表された第1回目の調査テーマは、「原価高騰の影響と対策のリアル」。原価高騰について、実際の現場の状況はどうなのか?どこまで影響が出ていて、その影響をどう補填できているのか、できていないのか、リアルな状況を調査したもの。
まず「あなたの会社では、物流業界における原価高騰の影響を受けていますか?」の質問では、「大きく影響を受けている」が37%、「若干影響を受けている」が35%で、全体の72%が影響を受けていると回答。また原価高騰の原因としては、「燃油価格の高騰」が72.7%で最も多く、次いで「人材不足・人件費高騰」が50.5%と多く、この2つが突出している。その他では「ドライバーの高齢化による効率悪化」も28.2%と高い。また「電気などのインフラ費」「新型コロナ」「ロシア・ウクライナ紛争」など、物流に限らない市場全体の影響も挙げられている。
<あなたの会社では、物流業界における原価高騰の影響を受けていますか?>
<原価高騰の原因として考えられること、影響度が高いと思うものは何ですか?>
「原価高騰の影響を、何でカバー、補填、または吸収していますか?」という問いに対しては、「補填できていない」が40.4%で最多。つまり、利益を削って対応している会社が多いということである。次いで「サービス料金の値上げ」「経費の削減」が約20%ずつ。その後「人件費のカット」「労働時間の削減」が約10%で続いている。ただ、この質問への回答を従業員規模別に見てみると、1万人以上の企業で「補填できていない」と回答したのは約30%強なのに対し、1000人未満では半数近くになっており、またサービス料金の値上げも、規模が小さい会社ほど出来ていない結果となっている。
<原価高騰の影響を、何でカバー、補填、または吸収していますか?>
<(従業員規模別)原価高騰のカバー、補填の取組み>
「実施した補填策のうち、効果が出たものは何ですか?」の問いでも、「補填できていない」企業が約40%で最多。一方で効果があったものとしては、「サービス料金の値上げ」」が16.9%、「経費の削減」が14.4%で多かった。逆に「人件費のカット」「労働時間の削減」は、実施企業の6割ほどしか効果が出ていない。
<実施した補填策のうち、効果が出たものは何ですか?>
今回の調査結果についてロジテックは、原価高騰による影響は多くの企業に出ており、補填策をもたず、利益の低減を容認するしかない企業が多数であること、補填策も、サービス料金の値上げや経費削減などの代表的な取り組みが多く、デジタルの活用や取引先を変えるなどのサプライチェーンの構造まで手を加える会社が稀であることが分かった、と分析。これは、原価高騰の原因の1つでもある『人材不足、人件費高騰』もあり、対応力が不足している、対応する人がいないことが考えられ、悪循環化が生じていると言える、とし、これらの問題は2024年問題においてさらに深刻化することが予想されるところであり、業界全体の課題として模索していく必要があると結論している。
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