デンソー/トラック用停車時クーラー「Everycool」発売

2023年09月12日 16:06 / 車両・用品

デンソーは9月11日、トラックのエンジン停止時に使用する停車時クーラー「Everycool(エブリクール)」を開発したと発表した。製品はデンソーソリューションを通じて12月から販売を開始する予定だ。

<Everycool>

20230912denso1 - デンソー/トラック用停車時クーラー「Everycool」発売

デンソーは、2035年の未来に向けて「人流」「物流」「エネルギー流」「資源流」とそれらを支える「データ流」の5つの流れを相互につなげ、統合的に制御することで新しい価値を生み出し、人々の笑顔があふれる「幸福循環社会」の実現に取り組んでいる。「物流」では、運送ドライバーの労働環境改善や効率的なエネルギー活用などの物流業界が抱える課題の解決を目指している。

今回、デンソーが開発した「Everycool」は、トラックのエンジン停止時に使用できる冷房装置で、特に夏の暑い時季における「ドライバーの労働環境改善」と、燃料の消費低減による「環境負荷低減と効率的なエネルギー利用」の両立を実現する。

<製品概要>

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「Everycool」は、デンソーがこれまで培ってきた気流コントロールなどの空調技術を活用し、ドライバーに集中的に冷風をあてることにより快適性を向上した。また、車室内全体を冷却する従来の停車時クーラーに対し消費電力を約57%低減させ、省動力を実現した。そのため車両に搭載されている標準バッテリーで使用可能となった。

従来の停車時クーラーは、熱交換器用の送風機を室内機と室外機に設置していが、「Everycool」は送風機を一体化し、1台で全体の熱交換を可能にした。また、車載技術を用いて専用に開発された小型の電動コンプレッサーを搭載した。これら2つの技術により、従来の停車時クーラーに対し約30%の小型化と約63%の軽量化を実現した。小型化により車室内空間の確保につながり、ドライバーの休憩の質向上や安心安全な運行に貢献する。さらに軽量化により積載量への影響を最小限に抑え、配送効率維持を実現する。

従来の停車時クーラーに比べて小型な「Everycool」は、リアウインドウの視界を妨げることなく設置することができる。そのため、大型トラックだけでなく、中型トラックやトラクター(けん引車)、また新車から既販車まで多様な車種への搭載が可能になった。今後もデンソーは、物流業界での課題解決に取り組み、社会から「共感」される新たな価値提供に取り組むという。

<ドライバーの利用シーンに合わせて集中冷却を実現>

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