大昇物流/災害時にトラックから電力供給する実証実験デモを実施

2023年09月22日 10:55 / 施設・機器・IT

大昇物流(宮城県大崎市)は9月16日、仙台市で災害時のトラック給電の実証実験デモを実施した。

この実証デモは、イーコース(東京都中央区)が運営するサービス「電源ドナー」にトラックからの給電を追加する実証実験の一環として行われたもの。仙台市内の小学校で開催された市内各地区の町内会長が参加する地域防災訓練に4トン車で参加し、災害時の避難所を想定したトラック給電を行った。

<トラック給電の様子>

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「電源ドナー」は、災害時に電動フォークリフトの電力を給電できる物流施設を、給電拠点としてアプリに表示し情報発信するサービス。しかし、「より地域住民に知ってもらい、平時から安心を届けるため、街中を走るトラックから給電するトラック給電を追加するのが効果的」(イーコース菊竹玉記社長)との観点から、車両側の技術評価としていすゞ自動車東北、バッテリー側の技術評価としてエナジーウィズと協力体制を整え、電源ドナーにトラック給電を新機能として追加。今回の実証実験デモとなった。

なお、トラックの発電機能を活用してトラック給電するには、電力を変換するインバータが必要になるが、予め車載していれば避難所など移動先でトラック給電が可能になる。トラックの大きさにもよるが、燃料満タン時でスマートフォンなら40台を約200時間充電できるだけの給電が可能という。

<給電可能な電力の目安>

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実証実験デモに参加した各町内会長は「トラック給電を実際にやっているところを見て有効性を感じた。燃料満タンで約200時間も発電できるのは心強い」、「停電が長期化した場合、今ある非常用発電機やバッテリーだけでは不安があった。人工呼吸器等を使用している医療的ケア児の家族には朗報。困っている家族が多いので情報を持ち帰って共有したい」、「町内会に持ち帰り、必要性を市民の声として仙台市に上げていきます」等、高く評価。東日本大震災を経験している地域だけに、その有用性はすぐに理解されたようである。

大昇物流の鈴木亮本社営業所所長は「我々は災害時に物資の輸送をするが、そのトラックで給電することでより地域住民のお役にたてるんだと実感した。弊社の社員とその家族も地域住民なので、社内で共有し、良い会社づくりの一つにとして役立てていきたい」とコメント。同社では今後県内の物流企業とともに準備を進めたい、としている。

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