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2024年04月09日 11:55 / 経営
東京商工リサーチ(TSR)は4月9日、2023年度の道路貨物運送業の倒産は345件で、3年連続で前年度を上回ったと発表した。
2022年度の倒産件数は263件で、23年度は31.1%増と急増した。なお年度で300件を上回ったのは2014年度以来9年ぶり。
四半期別では、4-6月が67件(前年同期比11.6%増)、7-9月が98件(63.3%増)、10-12月が94件(27.0%増)、2024年1-3月が86件(24.6%増)で、特に夏以降、高水準で推移した。
<道路貨物運送業の倒産 月次推移>
資本金別では、1000万円未満が253件(50.5%増)で全体の7割以上。中小・零細企業の苦境が浮き彫りになっている。
負債総額は595億9100万円(36.1%増)で、2年連続で増加。10億円以上の大型倒産は前年度と同件数の5件だったが、5億円以上10億円未満が16件(前年度13件)、1億円以上5億円未満が135件(前年度80件)と前年度を上回り、中堅規模の倒産増加が目立っている。
「人手不足」関連倒産は、48件(118.1%増)で前年から約2.2倍に急増。集計を開始した2013年以降では初めて40件を上回った。特に「求人難」(前年度8件)と「人件費高騰」(同3件)が各16件と大きく増加している。
また燃料費の高騰などによる「物価高」関連倒産は、141件(前年度比76.2%増)と大幅に増加。軽油価格の高止まりが続いていることから、2023年度は9カ月で「物価高」倒産が10件台となり、燃料費などのコストアップが各企業の採算性を悪化させる要因となっている。
2024年度は、4月1日からドライバーの時間外労働の上限が規制された。大手事業者では長距離輸送に中継を設けたり、共同輸送で連携をとるなどの対策をとりつつ、コストアップ分の価格転嫁も進むが、中小・零細企業では賃金アップの流れに追随できず、ドライバーの確保が難しい企業もある。燃料価格の高止まりによるコストアップでも企業体力を削られ、先行きの見通しが立たず、事業継続を諦めるケースが増加している。このため、資金繰りが限界に達した企業を中心に、今後も倒産が増加する懸念が高いとしている。