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2024年08月07日 10:31 / 車両・用品
日産自動車は8月6日、車内の温度上昇を抑制する自動車用自己放射冷却塗装の実証実験を公開した。今後、トラックや救急車など商用車への採用に向け、開発を進める。
この自己放射冷却塗装は、夏場の直射日光による車室内温度の過度な上昇を防ぐことで、エアコン使用時のエネルギー消費を減らし、燃費や電費を向上させるもの。放射冷却製品の開発を専門とするラディクール社と共同開発した人工物質「メタマテリアル」を採用した塗料により、晴れた冬の夜間から早朝にかけて起こる放射冷却と同じ現象を人工的に引き起こし、車内の温度上昇を抑制する。
この塗料を塗装した車両と通常塗料を塗装した車両の比較では、外部表面で最大12度、運転席頭部空間では最大5度も温度が低下。これにより、炎天下に長時間駐車していた車両への乗り込み時の不快感を軽減し、エアコンの設定温度や風量の最適化により、燃費や電費の向上を図ることができる。
「メタマテリアル」技術を利用した放射冷却塗料は、既に建築用途には使用されているが、塗膜が非常に厚く、ローラーで塗布することを前提としており、自動車の塗装に必要であるクリアトップコートの使用も想定されていない。そのため日産は、この塗料を車に適用できるよう、エアスプレーでの塗布や、クリアトップコートとの親和性、日産の厳格な品質基準など、様々な条件への対応に取り組み、約3年をかけ、一般的な自動車塗装に用いられるエアスプレーでの塗装に成功したという。
なお日産では、この塗装の効果と耐久性を検証するために、羽田空港で2023年11月から1年間の実証実験を実施中。ANAエアポートサービスが空港で日常的に使用している「NV100クリッパーバン」に塗装して評価を行っている。