三菱ふそう/カーボンニュートラル化に向けた取り組みの現状と今後の計画を公表

2025年03月27日 15:24 / 業績

三菱ふそうは3月27日、2024年のカーボンニュートラル化に向けた取り組みと実績を公表した。

製品と生産拠点でのカーボンニュートラル化に関する2024年の実績としては、小型EVトラック「eキャンター」の国内販売台数が前年比23%増加。また2024年には香港、トルコ、台湾、インドネシア、シンガポールにeキャンターを初投入し、この結果、現在アジア、オセアニア、EU、ユーラシア大陸から南米まで合計38の海外市場で販売し、多くの地域でカーボンニュートラル輸送に向けたソリューションを提供している。

<インドネシアで販売を開始した「eCanter」>
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なおeキャンターは、2017年の発売以来、これまでグローバルで3800台以上を販売、グローバル全体での走行距離は1200万km以上に到達している。

また、ダイムラートラック・グループ全体での2024年のEVトラック、バスの総販売台数は4035台で、前年比17%増を達成した。

<バッテリー交換式「eCanter」の車両とAmple社のバッテリー全自動交換ステーション>
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カーボンニュートラル化に向けた取り組みでは、EVトラックの稼働率向上を目指し、米アンプル社と提携してeキャンターを利用した「バッテリー交換式EVトラック」を実証。8月から約4カ月間、ヤマト運輸、ENEOSホールディングスと京都市内で実証を行った。

また9月には、ダイヘン、三菱総合研究所と共同で、eキャンターを用いた停車中ワイヤレス充電の実証試験を行うことを発表。この実験は、EVトラックにワイヤレス充電システムを採用することの実用性や課題評価を目的としており、環境省の「2024年度 運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業」にも採択されている。

この他、三菱商事、三菱自動車工業と共同で、EVのスムーズな移行と運用を促進するためのサービスを提供する新会社「イブニオン」を設立、山梨大学と包括的連携協定を締結し、水素・燃料電池分野での研究開発で連携するなどの取り組みを行った。

また、eキャンターから回収したバッテリーを、EV充電器付きの蓄電システムとして再利用する実証を2025年2月に開始した他、さらにシンガポール企業と連携し、EVバッテリーから正負極材や電解質として回収する「材料回収」の実証も開始している。

三菱ふそうは、2039年までに国内で発売する全ての新車をカーボンニュートラル車両にするビジョンを掲げており、これを実現するために「製品」「インフラ」「顧客」の3つを柱としている。

信頼性、柔軟性、優れた性能を組み合わせたソリューションを提供し、より多くのゼロエミッション車両の投入を目指すと同時に、使いやすい充電と稼働時間の最適化によって、ゼロエミッション車両を従来のディーゼル車と同様に利用できるようにすることを目指す。また運輸業界の主要な顧客と積極的に関わり、将来の技術を帯剣する機会やサポート、補助金に関する包括的ガイダンスを提供する。

同社のカール・デッペン社長CEOは、「商用車業界のフロントランナーとして、当社はお客様の多様な輸送ニーズへの対応に向けて、様々なアプローチを通じてゼロエミッション車両のラインアップ拡大を目指しています。しかし、このビジョンを実現するには、電気トラックと水素燃料車両のインフラ整備が不可欠です」と指摘。

「日本では現在、一般的に利用可能な電気トラック用充電設備は未だ限られており、低コストの水素充填ステーションも必要です。カーボンニュートラル輸送を実現可能にするためには、政府機関、インフラ設備のプロバイダー、お客様や自動車メーカーが密に連携し、日本政府が掲げる道路の脱炭素化に向けた目標達成に向けて取り組みを進めていくことが必須です」とコメントしている。

三菱ふそう/EVトラックの使用済バッテリーを再利用する実証実験を実施

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