全ト協/希望額ではない運賃・料金引上げ74.1%、運賃アップ率5~10%未満が50.3%
2025年04月04日 17:46 / 経営
全日本トラック協会は3月31日に公表した「物流の2024年問題対応状況調査結果」によると、荷主との運賃交渉を行った事業者の9割以上が運賃引き上げが出来たものの、希望額に達していないことがわかった。
この調査は、トラック運送事業者における対応状況や実態、また荷主企業における対応状況等を把握し、今後の施策や要望活動等に反映するため、2024年11月21日~2025年1月15日にインターネットで行ったもの。回答数は、2973事業者。
運賃・料金の見直しに向けた発注者(荷主等)との交渉については、「全ての発注者と交渉した」36.3%、「半数以上の発注者と交渉した」36.4%で7割以上を占めた。一方で、「一部の発注者と交渉した」20.0%、「交渉していない」7.3%だった。
また、運賃交渉をした2757事業者の結果については、「希望額どおり運賃・料金を引上げできた荷主がある」は20.2%、「希望額ではないが運賃・料金を引上げできた荷主がある」は74.1%で、約94%が運賃・料金の引上げを実現した。一方で、「運賃・料金を引上げできた荷主はいない」も5.7%あった。
さらに「運賃・料金を引上げできた」と回答した2601事業者の運賃のアップ率は、「5~10%未満」が50.3%最も多く、次に「5%未満」31.6%、「10~15%未満」13.2%、「15%以上」4.9%となった。
運賃・料金を引上げできた理由は「荷主等の発注者と良好な信頼関係が構築できているから」が81.9%と圧倒的に多く、次に「原価計算データや運賃計算の方法等を分かりやすく説明したから」33.9%が続く(複数回答)。
また、運賃・料金を引上げ(転嫁)できた費用については「燃料価格の上昇分」が65.8%最も多く、次に「ドライバー等人件費の上昇分」61.0%、「諸物価の上昇分」38.3%、「高速道路料金のコスト上昇分」35.2%、「2024年問題対応のためのコスト上昇分」27.4%となった。
一方、「運賃・料金を引上げできた荷主はいない」と回答した156事業者は、運賃・料金を引上げできない理由について「荷主等の発注者も企業経営が大変だから」が44.9%最も多く、次に「元請事業者が荷主に対して運賃・料金の引上げができていないから」40.4%、「他の運送事業者が交渉をしていないから」26.3%、「荷主から『他社に切り替える』等の高圧的な言動があり、交渉をあきらめたから」23.1%と続いた。
「運賃交渉していない」と回答した216事業者は、その理由について、「希望する運賃・料金を収受できており、特に問題がなく、交渉の必要がないから」が35.2%と最も多かった。一方で、「他社の動向や交渉の状況を様子見しているから」28.2%、「仕事を切られたり、発注量を減らされる恐れがあるから」19.4%、「入札や予算等で運賃・料金が事前に決まっており、見直しが困難」15.7%が続いた。
また運賃交渉をした2757事業者に、運賃交渉での標準的運賃の活用状況を聞いたところ、標準的運賃を「全てで活用した」20.4%、「半数以上で活用した」19.6%、「一部の交渉で活用した」32.2%となり、合計72.2%に上った。一方、「活用していない」は27.8%だった。
2024年3月告示の標準的運賃と比較した運賃水準を聞いたところ、「標準的運賃の7割程度」が21.8%と最も多かった。また標準的運賃の7割以下の水準が全体の半分以上(54.8%)を占めた。
標準的運賃が初めて告示された2020年4月以降でも、発注者(荷主・元請事業者)と交渉しても収受が難しい料金については、「積込み・荷卸し料金」47.3%が最も多く、次に「待機時間料金」45.4%、「付帯作業料金」41.1%、「燃料サーチャージ」36.1%、「割増料金(休日割増・深夜早朝割増・速達等)」32.3%、「高速道路利用料金」25.2%が続いた。
契約の書面化の状況では、「全ての契約を書面化している」が33.6%、「一部の契約を書面化している」が58.7%だった。一方で、「書面化していない」は7.7%だった。
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