求人・転職サイト「クロスワーク」を運営するクロスマイルが今年3月に実施した女性トラックドライバーに関する独自調査で、「トイレや更衣室」など設備の不備が大きな壁になっていることがわかった。
調査は、物流事業者の経営者・役員185名と、『クロスワーク』の会員登録者720名のトラックドライバーを対象に実施したもの。
全日本トラック協会のデータによると、トラック運送事業の女性ドライバー比率は約3%と極めて低いのが現状となっているが、女性ドライバーの採用状況について、今回の調査では企業の36.2%が「今後注力する予定はない」と回答。「積極的に採用を進めている」のはわずか24.3%に留まり、人手不足が続く中でも、女性ドライバーの採用に対して消極的であるか、あるいは注力していない実態が明らかになった。
さらに「過去は採用を進めていたが、現在は注力していない」が12.4%、「近々ストップする予定」と回答したのは全体の7.0%。全体では、約半数の企業が女性ドライバーの採用に消極的で、特に東北地方は「積極的に採用を進めている」の回答が0%で、女性ドライバーの採用が進んでいない。
女性ドライバー採用の課題で最も多かった回答は、「応募者数が少ない」で、75.6%。一方「業界のイメージが魅力的でない」「どのようにアピールしたらいいかわからない」という回答も多く、女性ドライバーを受け入れるための、具体的なノウハウがない実態も明らかになった。
トラックドライバーを対象に「女性ならではの悩みや課題を感じることはあるか」という質問では、「非常にある」が12.8%、「少しある」が36.9%で、約半数が女性ならではの課題があると回答。課題については「トイレの確保」が55.6%で最も多く、次いで「体調管理が難しい(生理など)」が50.6%となっており、インフラと身体的な課題を強く感じていることがわかった。
女性特有の悩みとして、男性ドライバーは「女性専用設備の不足(24.5%)」、「給与面での差(19.6%)」、「体力面での差(19.6%)」と考えているのに対して、女性ドライバーは「体力面での差(20.9%)」、「女性専用設備の不足(18.6%)」、「職場での理解不足(16.3%)」がトップ3。設備や体力面では男女共通の認識があるものの、給与や昇進などキャリア形成に関する課題では、男女間で認識のズレが大きいことが浮き彫りになった。
女性ドライバー募集時の工夫では、企業の28.9%が「働きやすい環境づくり」と回答。次いで「セクハラ・パワハラ防止策の徹底」、「女性専用の休憩室や更衣室を設置」が20.0%で続いた。一方、ドライバーが会社に求める「女性採用・活躍の支援」で最もニーズが高いのは、「女性専用設備」で42.2%。次いで「男女別のトイレの整備」が41.5%。
これに対して、女性が最も切実に訴えるのは「男女別のトイレ整備(12.8%)」や「女性専用休憩室・更衣室の設置(10.8%)」といった物理的インフラの不足で、「運転席や荷台の改良(各10.8%)」による体力の負担軽減も、重要な課題となっている。一方で男性は、「運転席や荷台の改良」に約10%が関心を示しているものの、女性が最も重視する「トイレ整備」はTOP5にも入っていない。その代わりに「ハラスメント対策の徹底(8.52%)」が上位に見られ、女性の安全への意識の高まりが反映される結果となった。
クロスマイルでは調査結果から、多くの企業が採用に消極的で「応募者が少ない」のが最大の課題であり、これは業界の魅力発信不足や女性労働者比率の低さが背景にあると分析。男性ドライバーとの認識には大きなギャップがあり、女性の働きづらさが十分に理解されていないのが現状で、企業が「働きやすい環境づくり」を掲げても、現場の求める設備整備との間に大きなズレがあると指摘している。この状況を改善し、女性ドライバーの活躍を促進するには、業界全体の意識改革が不可欠としている。
出典:クロスワークしごと白書(https://x-work.jp/journal/driver-working_04)
■X Mile(クロスマイル):https://www.xmile.co.jp/
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