中小運送会社向け/AI運営システム「ロジオス」構想発表、共創パートナー運送会社を募集
2026年05月14日 15:40 / 施設・機器・IT
生成AIを活用した業界特化型AI業務OSを開発するLeachは5月12日、中小運送会社向けAI運営システム「LogiOS(ロジオス)」の構想を正式に発表し、開発初期段階から仕様検討に参画する「第一期共創パートナー運送会社」の募集を開始した。
LogiOSは、受注管理・AI配車最適化・自動請求書作成・労務管理(2024年問題対応)・安全管理(デジタル点呼/アルコールチェック)・収益分析までを、ひとつのクラウドAI OS上に統合する、中小運送会社向けの統合型AI業務プラットフォーム。
車両5~50台規模の運送会社を主な対象とし、月額数十万円規模の大手向けTMSでは手の届かない現場に対して、「初期費用なし・契約縛りなし・ユーザー数無制限」を検討コンセプトとした設計方針で構想を進めている。構想の詳細および共創パートナー応募は、同日公開した「ロジオス」構想の特設ページから確認できる。
日本の運送業は約6万3000社の事業者のうち99%以上が中小企業という構造を持つ。大手向け専用TMS(運行管理システム)は月額数十万円からの費用がかかり、導入コンサルティングや運用保守を含めると年間1000万円以上の投資となる事例も珍しくない。結果として、年商数億円規模の中小運送会社の多くは「DXを導入したくても導入できない」状態に置かれ、紙と電話とFAXとExcelに留まったまま法改正を迫られている。この構造的ギャップを埋めるために、LogiOSは「中小運送会社が今日から使えるDX」をコンセプトに開発を進めている。
LogiOSは「運送会社のすべての業務を、ひとつのAI OSに」をコンセプトに設計された、中小運送会社向け統合型AI運営システム。電話・FAX・メール・LINEなど多チャネルで届く受注の一元管理、AIによる配車最適化、運行記録からの請求書自動作成、2024年問題に対応するリアルタイムの労務監視、アルコールチェック・点呼などの安全管理までをシングルのクラウドAI上に統合する。車両5~50台規模の運送会社が「今あるオペレーションのまま」で乗り換えられることを目指す。
大手向けTMSがSaaS・配車・勤怠・請求といった4~5つのシステムを組み合わせる構成となるのに対し、LogiOSは受注から配車、運行、請求までを一本のデータフローとして扱う点を設計上の最大の特徴としている。二重入力やシステム間のデータ齊合ミスを構造的に生みにくい設計とし、「初期費用なし・契約縛りなし・ユーザー数無制限」を検討コンセプトに、中小運送会社でも無理なく導入できる価格体系を一緒に磨いていく。具体的な価格体系やライセンス対象範囲は、共創パートナー企業とのディスカッションを踏まえて確定し、正式リリース時に発表する。
システム開発にあたり、今回、運送業界の現場ヒアリングと公開統計を踏まえて、中小運送会社が直面している代表的な課題6つを整理した。今後、第一期共創パートナーとの対話を通じて、優先順位と具体策を定める。
課題の第一は、「受注の混乱」で、荷主からの依頼が電話・FAX・メール・LINEの多チャネルで分散し、受注情報が手書きメモやホワイトボードに散らばることで、受注漏れ・ダブルブッキング・伝達ミスが続発している。繁忙期には経験の浅いスタッフの電話応対による記載漏れも発生しやすく、後工程の配車・請求へ影響が及んでいる。
第二は、「配車の属人化」で、車両・ドライバー・積載率・残業時間・距離と時間の最適化を総合的に判断できるのはベテラン配車係に集中しており、その一人が休みを取った瞬間に配車が回らなくなる、という経営リスクを多くの中小運送会社が抱えている。
第三は、請求書作成の手作業:燃料サーチャージ、高速代、待機時間料金などの変動要素が多いため1件あたりの請求書作成に15~20分の手作業を要しており、月末の請求作成だけで経理担当者が3~5日間拘束される事態や、転記ミスによる請求漏れが客先信頼の低下につながるケースが発生している。
第四は、「2024年問題への対応不足」で、ドライバーの年間残業960時間規制に対し、リアルタイムで累積残業を把握できている企業は少数にとどまり、月末に集計した段階でで超過が判明するケースも少なくない。行政処分リスクを抱えたままの運用が続いている。
第五は、「安全管理の記録不備」で、アルコールチェック、始業点検、ドライバーの体調管理は法令で義務化されているが、紙の記録簿で運用している企業が多く、監査時の過去記録探索に工数がかかっている。2023年12月からのアルコール検知器義務化・7年間の記録保存義務に対し、紙运用は限界に達している。
第六は、「収益の不透明性」で、荷主別・車両別・ルート別の収益性を把握できておらず、「忙しいのに利益が出ない」状態に陥る中小運送会社が多く存在する。燃料費高騰や人件費上昇に対して数値に基づく料金交渉や不採算ルートの見直しが困難であり、経営体力を剥いでいく要因となっている。
LogiOSは上記6つの課題に対応する形で、主要機能を設計している。最終的な実装範囲・優先順位は、共創パートナーとの対話を踏まえて正式リリース時に確定する。
機能の第一は、「受注管理」で、電話・FAX・メール・Webフォームからの受注を一元管理する。FAX-OCRによる手書き伝票の自動入力、受注の重複チェック、荷主への受注確認メール自動送信を実装する予定。既存のExcelテンプレートや地域特約のFAXフォーマットへの対応範囲は共創パートナーと詰める。
第二は、「AI配車最適化」で、車両・ドライバー・積載率・距離・残業時間を考慮した最適配車をAIが提案し、ガントチャートで直感的に調整できる設計を目指す。ベテラン配車係の思考路線をAIが学習し、交通渋滞や大型車規制などの制約条件への対応範囲は共創で決める。
第三は、「自動請求書作成」で、運行記録から燃料サーチャージ・高速代を含む請求書を自動生成する。承認フロー、PDF出力、freeeをはじめとしたクラウド会計とのAPI連携に対応。複数拠点运用や承認権限の粒度は実経理フローを拝見しながら実装を決める。
第四は、「2024年問題対応」で、ドライバーごとの年間残業時間をリアルタイム監視し、960時間超過リスクを事前アラートする。配車アルゴリズムに残業時間を自動反映させ、月次・四半期の行政提出用レポートも自動生成。行政ニーズに合わせた出力形式を共創パートナーと定める。
第五は、「安全管理・デジタル点呼」で、アルコールチェック記録、始業点検、ドライバー体調をデジタル化し、クラウドに7年間自動保管する。監査時はワンクリックで帳票出力できる設計。異常値はAIが自動検知し、配車係・運行管理者に同時通知する。
第六は、「売上・収益分析」で、荷主別・車両別・ルート別の収益性をダッシュボードで可視化し、不採算ルートの特定や料金交渉の根拠データを自動生成する。月次経営会議資料のAIドラフト生成までを含むか否かは、共創パートナー経営者の要望を踏まえ判断する。
第一期共創パートナーの募集は、LogiOSの構想に共感し、開発段階からプロダクトをともに磨上げていく運送会社を探す取り組み。正式リリース前のMVP開発にインプットをしてほしい中小運送会社、現場の業務を見せてもらいながら、仕様の優先度を一緒に決めていくことに、賛同してもらえる。運送会社を主な対象としている。
対象企業は、一般荷物運送事業者、特殊荷物運送事業者(冷凍・冷蔵・危険品・重量物等)、宅配・ラストマイル・産廃棄物輸送などの専門運送会社で、車両5~50台規模・ドライバー10~80名規模の中小運送事業者を想定している。国内約4万5000社の中小運送会社のなかで、限られた第一期の枠を案内する。
今後、5月~7月に応募運送会社とのオンラインミーティング・現場ヒアリング、構想の検証と機能優先度の確定を実施。8~12月に、MVP開発と共創パートナーへの優先提供・フィードバック反映する。2027年前半には、「ロジオス」を正式リリースし、価格の正式発表を行う予定だ。
■ロジオス構想
https://logios.leach.co.jp/
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