アパレル物流研究会/港湾から物流センターの「調達物流」下関港・東京湾から共同輸送スキーム構築

2026年08月06日 15:40 / 経営

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アパレル大手のアンドエスティHD、バロックジャパンリミテッド、TSIホールディングス、ユナイテッドアローズが参画し運営しているアパレル物流研究会は8月4日、港湾から物流センターを結ぶ調達物流(ドレージ輸送等)で、共同輸送実験を実施し、トラック手配難易度や運行上の負荷軽減効果を確認できたと発表した。

現在、国内の車両稼働台数は2011年比で約35%減少し、海上コンテナ輸送を担うドライバーの平均年齢は52.6歳と高齢化が顕著となっている。収益性の低さから新規参入が望めない中、2023~2025年にかけて運賃は上昇を続けており、人手不足とコスト増が同時に進行している。

研究会は、将来の「人がいなくなる、運べなくなる」という懸念に対し、競合や取引先の枠組みを越えてリソースを集約・最適化することで、持続可能な国内輸送網を維持・構築することを目指している。

■共同輸送における「2つの本稼働スキーム」

今回、海外商品の調達領域において、無駄な運行と待機時間を排除する、2つの共同輸送スキームを構築した。

まず、中国(華東・華北)発の輸入貨物を下関港に集約し、フェリー輸送(横須賀港経由)を組み合わせて各社物流センターへ共同輸送するスキームを構築。下関港で各社貨物を荷合わせし、運行車両台数を削減し、フェリーによるドライバー無人輸送で運行時間を削減した。その上で、従来のリードタイムを維持した。

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下関港のスキーム

次に、東京港に到着した貨物について、港湾施設(CFS)を巡回集荷し、各物流センターまで共同輸送できるスキームを構築した。これにより、東京港で各社貨物を荷合わせし、運行車両台数を削減しつつ、従来のリードタイムを維持した。

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東京湾のスキーム

2026年3月から実証実験を実施しており、複数社による共同輸送スキームを構築・運用した結果、従来のリードタイム(輸送日数)を維持しながら、輸送網の集約と最適化(モーダルシフト等)を実現した。その結果、ドライバーの運行時間やCO2排出量を削減し、効率化と環境配慮を両立した持続可能な物流モデルの有効性を実証した。

下関港での貨物集約により、車両の運行回数を4回から2回へ半減。さらにフェリーによるモーダルシフトを組み合わせることで、従来の陸路輸送と比べドライバーの運行時間を約77%削減した。

東京港からの共同輸送では、従来の各社個別輸送スキームと比較し、約50%の削減となった。下関港からの共同輸送によるCO2排出量は、現行と比較し約37%削減できた。一方で、東京港からの共同輸送では、CO2排出量の削減効果は、実証実験結果として現行と同等水準に留まった。車両の積載率向上を推進することで、今後は環境負荷軽減を図る。

「アパレル物流研究会」は、実証実験で得られた知見をもとに、共同輸送スキームのさらなる拡大を進める。共同輸送スキームは、協業企業が増えることでネットワークの「線」が太くなり効率化され、さらに「線」の数が増えることで輸送ルートが面的に広がり、その効果を拡大していくことにつながる。このため、研究会では今回の実証成功を踏まえ、持続可能な物流の実現を共に目指す新たな企業の募集も継続する。

単なる一過性の実証にとどまらず、2024年問題をはじめとするドライバー不足などの社会課題に対し、業界の垣根を越えた「持続可能な社会インフラ」としての共同輸送スキームを確立する。

アパレル物流研究会は2023年10月に発足、2025年8月のリリース発表以降、業界内外より多数の反響と共感を得た。2026年8月には、新たに、ビームス、豊島が参加した。

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