外国人雇用実態調査/多くの事業者がドライバー採用には慎重
2025年03月13日 13:40 / 経営
BtoBマッチングサービス「外国人採用の窓口」を展開するアルフォース・ワン(東京都葛飾区)が物流・運送業界を対象に実施した「外国人雇用の実態」調査によると、外国人ドライバーの雇用について依然として慎重な姿勢を取る事業所も多いことがわかった。
この調査は2月19日~3月4日、インターネットで全国の物流・運送業界勤務者118名を対象に行われたもの。
<あなたの職場での外国人ドライバーの雇用状況を教えてください>

外国人ドライバーの雇用状況については、「雇用経験あり(現在も雇用中)」が27.1%、「雇用経験あり(現在は雇用なし)」が15.3%となり、全体の42.4%の事業所が外国人ドライバーの雇用経験があると回答。
また「雇用検討中」が10.2%と一定の割合を占める一方、「雇用する予定なし」が47.5%と約半数に上った。特に「雇用経験あり(現在は雇用なし)」が15.3%存在することから、日本語での業務遂行の難しさ、運転免許の取得要件、労働環境の違いなどが雇用継続の障壁となっている可能性が考えられる、と同社では分析している。
<外国人ドライバーの採用は、あなたの職場にとって成功だったと思いますか>

「外国人ドライバーの採用が成功だったか」という質問では、「成功だった」は12.7%にとどまり、「どちらとも言えない」が61.0%で最多。「成功ではなかった」が26.3%で、外国人ドライバーの採用に関しては、成功と感じている事業所はまだ少数派であり、多くの企業が判断を保留している状況。
「どちらとも言えない」が6割を超えている点から、採用後の定着率や業務適応の可否がまだ評価しきれていない、あるいは試行錯誤の段階にある事業所が多いものと推察される。
<特定技能制度において自動車運送業の解禁を加味した検討状況>

特定技能制度で自動車運送業が解禁されたが、ドライバー職として特定技能外国人を採用する予定については、「どちらとも言えない」が31.4%、「採用予定なし」が47.5%。「すでに採用した」事業所は5.9%、「採用する予定」は15.3%に留まっており、慎重な姿勢を示す事業所が多い。
なお「採用予定なし」と回答した事業所の主な理由は、「日本語能力の不足による言葉の壁」が33.8%で最も多く、次いで「日本の交通ルールへの理解や技術不足による事故や違反」が14.7%。
このことから、「外国人労働者に求めるもの」として「日本語能力」や「日本文化に対する理解」を重視する傾向が伺える。今後、特定技能制度の活用を進めるためには、日本語教育の強化や運転技術研修の充実、文化適応支援などのサポート体制の整備が重要といえるだろう。
また成功事例の共有や、外国人ドライバーを受け入れた企業の実績を示すことで、慎重姿勢をとる企業の意識変化を促すことが期待される、と同社では指摘している。
■外国人採用の窓口(https://gaikokusaiyo.com/)
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