国内貨物輸送/2024年度総輸送量1.4%減、2025年度も0.3%減と低迷の見通し
2025年04月10日 15:28 / 経営
NX総合研究所は4月4日、「2025年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」で、2025年度の国内貨物輸送の総輸送量は0.3%減と低迷する見込みと公表した。
2024年度の総輸送量は、上期は1.1%増と堅調に推移した。しかし、下期は建設関連貨物が大幅なマイナスになったこともあり、3.7%減と低調に推移。この結果、通年では1.4%減と引き続き水面下の動きにとどまった。
2025年度の総輸送量については、上期が1.7%減と引き続き減少した後、鉱工業生産の持ち直しなどを背景に、下期は1.0%増とプラス水準への浮上を予測。ただし、通年では0.3%減となり、4年連続の減少となる見通し。
ただし、一般貨物に限定すると、上期1.2%増の後、下期も0.4%増と比較的堅調に推移し、通年では0.8%増とプラスの着地を見込んでいる。
■品類別輸送量(2025年度)
消費関連貨物は、個人消費が伸び悩むものの、物価上昇に伴う輸送量の下押し効果はいくぶん弱まる。さらには夏場における飲料需要などが引き続き底上げに寄与すると期待されることから、上期は堅調な推移を予測。下期については、個人消費の伸びの鈍化に加え、前年同期における大幅増の反動により弱含みが避けられないとし、トータルでは0.8%増の見込み。
生産関連貨物は、鉱工業生産が3年連続でマイナスとなった反動もあって、小幅ながらプラスへの反転が期待できることから、0.8%増を見込む。主力である鉄鋼に大きな盛り上がりが期待できず、化学工業品も振るわない一方、機械・機械部品には底堅い推移を予測する。
建設関連貨物は、公共投資の伸び悩みに加え、大規模公共土木工事の執行が期待できないこと、さらには新設住宅着工戸数の増加も見込めず、1.8%減と引き続き低迷。前年度における大幅減の反動などからマイナス幅は縮小も、引き続き総輸送量を下押しする見込みだ。
2025年度の輸送機関別輸送量では、営業用自動車は、消費関連貨物と生産関連貨物が堅調に推移するも、建設関連貨物が振るわず、トータルでは0.2%の微増と予測。
自家用自動車は、消費関連、生産関連、建設関連貨物のいずれも不振が続き、トータルでは2.1%減と低迷する見通しとしている。
■企業物流短期動向調査(速報)
2025年1~3月実績の国内向け出荷量「荷動き指数」はマイナス12と、前期(2024年10~12月)実績(マイナス11)から1ポイント低下。前回(12月)調査時の見通し(マイナス10)より2ポイント下振れ。4~6月見通しでは3ポイント改善し、マイナス9の予想ながら、下振れの可能性もある。
<荷動きの実績(見込み)と見通しの『荷動き指数』(速報値)>
2025年1~3月実績の業種別「荷動き指数」では、全15業種中過半数の9業種において前期(2024年10~12月)実績より低下。プラスの業種は皆無で、木材・家具がゼロ水準、残り14業種がマイナスになった。4~6月見通しでは、8業種が上昇する予想ながら、プラスの業種は精密機械と食料品・飲料の2業種にとどまる見込み。
※「荷動き指数」とは「増加」の割合から「減少」の割合を引いたもの。調査対象は製造業・卸売業の主要2500事業所。
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