日本郵政 決算/25年3月期「郵便・物流事業」営業損失383億円、2期連続損失計上

2025年05月19日 14:28 / 業績

日本郵政が5月15日に発表した2025年3月期決算によると、郵便・物流事業の売上高は2兆808億円(前年同期比5.3%増)、営業損失383億円(前期は686億円の営業損失)となった。

<郵便・物流事業の状況>
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出典:2025年3月期日本郵政会社説明資料

郵便・物流事業では、ゆうパケット、ゆうメールの取扱数量が増加した一方、郵便が減少したものの、2024年10月の料金改定による郵便収入の増加もあり増収となった。一方で、経常費用は引き続きコストコントロールの取組み等を進めたものの、人件費や集配運送委託費等が増加し、2期連続で営業損失を計上した。

人件費は1兆2915億円(1.8%増)で、増加要因の内訳は給与手当等169億円、法定福利費37億円、退職給付費用17億円。また経費は8276億円(6.7増)で、増加要因の内訳は、国内運送委託費196億円、国際運送料17億円、減価償却費110億円、郵便窓口業務費61億円、支払手数料29億円、水道光熱費26億円、施設維持管理費22億円。

<郵便・物流事業の営業損益>
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出典:2025年3月期日本郵政決算説明資料

ゆうパックの取扱数量は2020年度以来、4年ぶりに増加に転じて5億5800万個だった。ゆうパケットは2022年度から3年連続で増加して5億3700万個となった。ゆうパック・ゆうパケット、ゆうメールで構成する荷物の営業収益・営業利益は、現在、精査中で8月に開示する予定だ。

日本郵便では、差出・受取利便性の向上、営業体制・営業力の強化、楽天グループをはじめとする他企業との連携強化等を通じた荷物分野の収益拡大に加え、DXの推進や商品・サービスの見直し等を通じたオペレーションの効率化に取り組んでいる。また、いわゆる物流の「2024年問題」を踏まえ、中継輸送の導入等、輸送オペレーションを見直したほか、2024年5月にはセイノーグループと業務提携契約を締結し、幹線輸送の共同運行等による輸送効率の向上に取り組んだ。

このほか2025年4月、トナミホールディングスの創業家代表・経営陣及び日本郵便の共同コンソーシアムによるトナミホールディングスの株式に対する公開買付けが成立し、日本郵便の連結子会社となった。幹線輸送に強みを持つトナミホールディングスとの協業による更なる付加価値向上を目指す。

なお、法令に定められた点呼業務を実施しないまま配達業務を行った事例を確認し、2025年3月に公表するとともに、全国の郵便局における点呼業務執行状況の調査を開始し4月に調査結果及び再発防止策を公表したほか、総務省から、再発防止策及びユニバーサルサービスの確保等に関して、報告徴求命令を受けている。あわせて、国土交通省から、貨物自動車運送事業法に基づく特別監査も受けた。

2期連続で営業損失を計上したものの、2025年度については、郵便料金改定の影響に加え、ゆうパック・ゆうパケットの取扱数量の拡大により、営業利益は290億円の黒字を目指す。

来期は、営業収益2兆3400億円(12.5%増)、営業利益290億円の見通し。

日本郵政/25年3月期「荷物引受物数」43億3680万個(11.7%増)、ゆうパック単価624円

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