飲料業界大手5社/2024年問題対応で待機時間40%、荷役作業時間30%削減

2025年05月29日 16:12 / 経営

アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、コカ・コーラボトラーズジャパン、サントリー食品インターナショナルの清涼飲料5社で構成する社会課題対応研究会は5月29日、物流2024年問題の改善に向け、待機時間・荷役作業を各社で削減したと発表した。

<社会課題対応研究会>
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2024年3月~2025年2月の1年間での実績で、待機時間削減件数(主に待機時間1時間以上の件数)は、5社計で平均約40%削減できた。また、ドライバーが本来の運転業務以外に行っている、積み下ろし、検品、ピッキングなどの荷役作業の発生件数は、5社計で平均約30%削減した。

社会課題対応研究会は、2024年11月に正式に発足し、物流2024年問題、温室効果ガス(以下、GHG)排出量削減や食品ロス問題などの社会課題について幅広く議論を重ねている。

特に、物流2024年問題を背景とした厳しい物流環境の中、物流を維持するため、喫緊の各社共通課題として研究会発足発表以前から議論を重ね、先行して取り組みを開始していた。トラックドライバーの待機時間、荷役作業発生件数の削減では、物流パートナー企業や取引先の理解・協力を得ながら改善を進めてきた。

現在、研究会として省庁や異業種の物流研究会との情報交換や協議の場を持つなど、個社単位では解決が難しい社会課題を各方面と協働することで改善につなげるべく活動を続けている。研究会内においても引き続き、待機時間や荷役作業時間以外の物流課題の共通認識や対応の検討を行うほか、飲料容器を中心とした資材観点で社会課題の改善につなげられる領域の探索など、広く社会課題に対応するための議論・研究を行っている。

研究会に参画する清涼飲料5社は、物流の効率化とGHG排出量削減に向けて、同業他社や異業種企業との共同配送や往復輸送などの取り組みを強化。昨年から、具体的な取り組みを積み重ねている。

■同業他社や異業種企業との取り組み
・2024年7月~伊藤園×日清食品:往復輸送
・2024年7月~サントリーグループ×ダイキン工業:往復輸送
・2024年8月~コカ・コーラ ボトラーズジャパン×伊藤園:共同配送
・2024年10月~コカ・コーラ ボトラーズジャパン×湖池屋:共同輸送
・2024年11月~アサヒ飲料×伊藤園:往復輸送
・2024年11月~サントリーグループ×サッポログループ:往復輸送
・2024年11月~伊藤園×全農グループ:往復輸送
・2025年2月~キリンビバレッジ×花王:共同配送

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