オートサービスショー/整備業界取り巻く環境変化でOBD検査や省力化への対応目立つ
2023年06月16日 15:54 / イベント・セミナー
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日本自動車機械工具協会(機工協)が主催する自動車整備機器を集めた展示会「第37回オートサービスショー2023」が、6月15日~17日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。同展示会はこれまで隔年で行われてきたが、21年はコロナ禍によって中止されたため、今回は4年ぶりの開催。
<オートサービスショー2023の会場>
自動車整備業界は、特定整備制度の経過措置が24年3月で終了、同年10月にはOBD検査が開始され、また労働安全衛生規則の強化など、取り巻く環境が大きく変化しつつある。加えて、整備士不足や高齢化などの課題も多い。
このようなところから、今回の展示ではOBD検査用スキャンツールなど特定整備のほか、省力化に対応した整備機器が目立った。特に大型車用整備機器では、受台のセッティングを簡単にしたリフトや、力を入れずにタイヤを上げ下げできるタイヤリフターなど、効率化・省力化、安全性の向上を図る整備機器が数多く出展されていた。
<OBD検査用スキャンツールの展示が目立った>
また、これまで導入する事業者が限られていた大型トラック用のホイールアライメントテスターの出品も多い。この背景としては、ステアリング制御など運転支援技術の搭載車が増加したことがある。ホイールが正確に収まっていなければ、先進機能も効果が十分に発揮できないからだ。もちろんアライメントの狂いは振動や燃費にも影響するため、今後はさらに導入が進むことが予想される。
【バンザイ】

バンザイは、OBD検査用スキャンツール型式認定第1号となった「MST-nano」など、OBD検査にも対応した車検システムをはじめ、トータルエイミングサービスや各種リフト等、幅広い展示を行った。
<参考出品された中・小型トラック向けホイールドーリー>
定評のある大型車用移動式リフトなど、大型車用の整備機器も充実していた。写真は参考出品された中・小型トラック向けホイールドーリー。リフトアーム長を従来より長くすることで、リフトアップされた車両のタイヤを受けやすくしている。リフトアームの最高高さが高いので立ったまま作業でき、作業者の負担を軽減してくれる。
【安全自動車】

「安全・安心をサポート」をコンセプトに、「効率化」「コンプライアンス」「省力化・負担軽減」「次世代車両」「環境」の5つのサブテーマで多くのアイテムを展示した安全自動車。大型車用では赤外線カメラセンサーを採用し高精度なアライメント測定が可能なカメラ式アライメントシステム「トラックカム」などを出展した。
<最新のホイールバランサーCircuit330>
写真は最新のホイールバランサー。エアで昇降が可能になり、低い位置で安全に正確なホイール装着を実現。位相保持ブレーキも搭載しており、正確なバランス修正が行える。
【アルティア】
アルティアは、「Find your future 未来はここにある」をブースコンセプトに、検査業務を大幅に効率化するコンピューター式検査システムや、EV用整備機器などを展示し、多くの注目を集めていた。
大型車用整備機器の目玉は、フルフラット式ツインリフト・油圧拡縮受台+レーザーアタッチメント仕様。特許取得の独自機構により受台部分の自動拡縮を可能にしており、リフトアップの際に手間と労力のかかる受台のセッティングがリモコン一つで簡単に行える。またリフトアップポイントをレーザーで照射するアタッチメントを組み合わせることで、リフトの受台セッティングの更なる効率化が実現できる。
<アルティア フルフラット式ツインリフト・油圧拡縮受台+レーザーアタッチメント仕様>
【イヤサカ】
同社が販売する米ハンター社の各モデルをコーナー展示したほか、最新の通過型診断システム「クイック・チェック・ドライブ」と「クイック・トレッド・エッジ」などを展示したイヤサカ。大型車コーナーでは、現場スタッフの負担を軽減するドライブオンピット用ホイールドーリーなどを参考出品。幅広設計とすることで、ドライブオンピット式リフトのピットを回避し、タイヤまでアクセスすることが可能になり、リフトアップしたした状態でのタイヤ交換作業がスムーズに行える。
<イヤサカ・ドライブオンピット用ホイールドーリー>
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