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2025年04月11日 11:57 / 労務
教習所系スタートアップ企業テトラ・シフトは4月14日、本年度から本格化した「特定技能(自動車運送業)」いわゆる外国人ドライバー制度に合わせ、技能評価試験に特化したテキスト「自動車運送業分野特定技能1号評価試験対策テキスト RULES OF JAPANESE DRIVING -TRUCK OPERATIONS-」(税込4800円)を発売する。
テキストは144ページで、日本語で記載。現在、多言語化対応を進めている。販売対象は、日本国内の登録支援機関、日本国内の日本語学校や専門学校、海外の送り出し機関、海外の日本語学校、受け入れ事業者などの法人。最低発注数は5部からで、納期は注文から約2週間程度。
技能評価試験は、日本の道路交通法などの知識を問う内容で、試験に合格するには十分な対策が必要だが、海外には日本の道路交通法を学ぶ教材が無いことから、制度上の大きな課題となっていた。
テキストは、70年以上運転者教育を担ってきた教習所の指導員が作成。長年培ってきた教育ノウハウを活かし「なぜその確認が必要なのか」等、理由に遡って解説する。運行管理者講習やフォークリフト講習も手掛けるからこそ分かる業界慣習や安全衛生の知見も反映している。
これまでも自動車教習所内で独自の補助教材を作成してきた経験を活かし、国土交通省発表の試験要領を独自に研究。制度関係者から収集した情報も加味し、技能評価試験の出題領域を幅広く網羅。効率的に試験勉強に望めるよう、図表も取り入れて編集した。
技能評価試験対策のほか、来日後に外免切替をする際の知識確認や技能確認の対策にも使えるように設計。単元ごとに「ここは技能評価試験の範囲」「ここは外免切替試験の範囲」と明示することで、目的に応じてポイントを絞った学習ができる。
学習中に疑問に思ったことや「このような状況の時は、このような通行はNG?」といった疑問に対して、現役の教習所指導員がメールで回答する。道路交通法教育のプロが教科書購入後も学習をサポートする。さらに、教習所の指導員がテキストの内容をゆっくり読み上げたり、補足説明をしたりする動画教材も開発中。「どうしてもテキストだけでは勉強が難しい」、「海外には道路交通法を理解して教える先生がいない」といった諸問題にも対応する。そのほか、「歩行者優先」や「飲酒運転の代償」、「警察と交渉の余地はない」など、文化の違いも丁寧に説明する。
特定技能(自動車運送業)制度は、トラック・バス・タクシーの運転手として一定の専門性や技能を有する外国人に限定をして日本での就労を解禁したもので、2024年問題に代表される「物流の人手不足」や「公共交通の担い手不足」といった社会課題を解決するため、2024年3月に閣議決定された。同年12月に運用を開始。政府は5年間で2万4500人を上限に特定技能ドライバーを受け入れるとしている。既に多くの企業がの採用活動を進めており、本年度から導入が本格化するものとみられている。
技能評価試験は、運転手としての専門性等を確認するための試験で、日本で働く在留資格を得るための必須要件でもある。出題分野は「運行」「安全衛生」に加え、トラックは「荷役」、バス・タクシーは「接遇」から計50問が出題される。試験では、道路標識や高速道路の走り方、事故対応など交通法規から、正しい点呼の方法といった実務領域まで幅広く出題されるが、海外には外国人が日本の交通ルールや各業種の仕事を体系的に学ぶためのテキストが無く、現地の送り出し機関(日本での就労を目指す人向けの日本語校)から「現状では十分な対策ができず、専用の教科書を作ってほしい」との要望があった。
テトラ・シフトは、羽生モータースクールと広沢自動車学校の2つの指定自動車教習所をルーツにもつスタートアップ企業で、外国人材の活躍を支援する登録支援機関にも認定されている。元々は、自社が登録支援機関として関わる求職者向けの社内テキストとして開発を進めてきたが、国内外の多くの企業からの要望を受け、「安全運転ドライバーを育てる」という教習所の使命を鑑み、テキストを一般に販売することになった。
作成にあたっては、約1年前から海外と日本の運転の違いを基に、技能評価試験の内容を研究。自動車教習所の現役の指導員でチームを立ち上げ、約8カ月をかけ、外国人ドライバーへのヒアリングなども踏まえながら、コンテンツ作成、写真撮影、レイアウト編集、校閲作業を進めた。まずは、需要の大きいトラック向けのテキストを発売し、今後、バスとタクシーについても、順次発売する。
テトラ・シフトのルーツである羽生モータースクールと広沢自動車学校の2校と、ベトナムの大手自動車教習所グループ「ヴァンタイングループ」は2025年2月、特定技能制度で来日を目指すベトナム人向けに、来日前にベトナムの教習所で日本式の運転(実技)教育をするための新プログラムを開発するための戦略提携に合意している。今回、テキストが完成したことにより、特定技能ドライバーを目指す人が母国にいる間に座学(テキストを活用)と実技(新プログラムを活用)の両方を高い水準で受講できる体制が完成する。