イオンネクスト/第一種貨物利用運送事業登録「物流網の最適化と商品差別化」促進

2025年06月13日 11:02 / 経営

イオンネクストは今年4月に第一種貨物利用運送事業を登録したが、その目的について「物流網の最適化と商品ラインナップの拡充・差別化を図るための施策だ」とトラックニュースの取材に回答した。

同社は、顧客までの配送を担うイオンネクストデリバリーとともに、ネット専用スーパー「グリーンビーンズ」を展開している。

<イオンネクストの配送スキーム>
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出典:イオンネクストホームページ

事業開始にあたり2023年7月から、イギリスでネットスーパーを展開するOcado Solutions社の最新技術を活用した「誉田CFC(顧客フルフィルメントセンター)」(千葉市緑区誉田町)を開設した。

グリーンビーンズはセンター出荷型のネットスーパーのため、自動倉庫を活用したCFCで商品ピックアップとピッキングを実施。CFCをハブとし、中継地点(スポーク)を設けて配送を行うため、ピッキングされた商品を大型トラックで中継拠点に運び、中継拠点から配送バンを利用して顧客に商品を届けている。

今回、イオンネクストが第一種貨物利用運送事業の登録をしたことについて、同社は、「お客さま向けの商品を中継拠点へ届けた大型トラックの戻り便を活用し、お取引先さまの商品を集荷代行してCFCへ届けるなど、物流網の最適化をさらに進める」とコメントした。

現在、イオンネクストデリバリーは、営業所(配送センター)を都内5カ所(平和島・西日暮里・高島平・東葛西・豊洲)、千葉2カ所(誉田・市川)、神奈川3カ所(高津・戸塚・中央林間)、合計10カ所に設置している。

グリーンビーンズの配送エリアは、現在、東京23区、千葉県の千葉市・船橋市・習志野市・市川市・浦安市・八千代市・四街道市・流山市・松戸市・鎌ヶ谷市と市原市・柏市・佐倉市の一部地域、横浜市の青葉区・都筑区・緑区・港北区・鶴見区・神奈川区・瀬谷区・旭区・泉区・戸塚区、川崎市となっている。

今後、配送エリアを拡大する予定で、2026年秋の稼働を目指し「八王子CFC」(東京都八王子市滝山町)、2027年度の稼働を目指し「久喜宮代CFC」(埼玉県南埼玉郡宮代町)の建設を進めている。

<九十九里の鮮魚店からも仕入れ>
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出典:グリーンビーンズホームページ

また、第一種貨物利用運送事業の登録のもう一つの目的として、商品の差別化がある。大手小売業が日常的に販売する商品は、ある程度の生産規模があり、食品卸売業や市場を通じて流通する商品が大半を占める。一方で、生産量、収穫量や水揚げ量が限られ、産地でしか知られていない、高鮮度・高品質の商品もある。仕入れロットが極めて小さく、安定供給が難しい商品は、既存の商品仕入れルートでは取り扱いが難しい課題がある。

そのためイオンネクストでは、自社で商品を発掘し、小ロットで生産規模が小さな商品の取り扱いも強化している。小規模生産者が自ら配送事業者を手配することが難しく、また、輸送量も限られることから、こうした商品の物流網を構築するために、第一種貨物利用運送事業を自社で行うという。

イオンネクストのCFCは、最大5万品目の豊富な品揃えと、AIやロボティクス技術による安定的な供給力が特徴となっている。

同社は、「私たちは『買い物を変える。毎日を変える。』というミッションのもと、お客さま一人ひとりの暮らしに寄り添い、日々の買い物がより楽しく、豊かな体験となることを目指しています。そのために、地域でしか手に入らない高品質な商品や、小規模生産者による個性あふれる商品など、多様な品ぞろえの拡充に取り組んでいます。お客さまに新しい発見や驚きを届けるためには、取引先さまとのパートナーシップが欠かせません。規模や地域を問わず、多様な魅力をもつさまざまな取引先さまと共に、これまでにない購買体験をお届けしてまいります」と取引先に呼び掛けている。

■イオンネクスト
https://aeonnext.co.jp/

■グリーンビーンズの差別化商品の配送例
https://service.greenbeans.com/media/article/119/

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