JL連合会、SST/共同輸配送を推進する連携協定を締結、全国物流網の維持・強化を図る

2025年08月07日 18:01 / 経営

ヤマトホールディングスの子会社であるSustainable Shared Transport(SST)と日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会(JL連合会)は8月7日、共同輸配送を推進する連携協定を締結した。

<SST高野社長とJL連合会迫会長>
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全国約1600社のJL連合会の組合員事業者に対し、SSTの共同輸配送ネットワークへの参画と、輸送委託先の一つとして「SST便」の利用を促進し、全国各地の物流ネットワークの維持・強化を図る。

<連携のイメージ>
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具体的な取り組みは「地域をつなぐ物流ネットワークの拡充」、「共同輸配送の社会的な利用促進」、「物流事業者の事業継続および労働環境の改善」の3つ。

まず「地域をつなぐ物流ネットワークの拡充」については、JL連合会では「SST便」の共同輸配送ネットワークの担い手(幹線運行・積替え拠点提供・域内配送)として組合員事業者の参画を促し、各事業者の積載率およびトラック稼働率の向上を図る。SSTは地域に根差した組合員事業者や、ヤマトグループの3500社以上の物流事業者とのパートナーシップにより、「SST便」のサービス提供エリアの拡充と輸配送の担い手基盤の強化を図り、安定した運用を目指す。

「共同輸配送の社会的な利用促進」では、JL連合会は組合員事業者に対して、輸送委託先の一つとして「SST便」の活用を促すことで、荷主企業に提供できる輸送エリアを全国規模に拡大できるため、新たな収益機会の獲得と経営基盤の強化を実現する。SSTは事業活動や渉外活動を通じて、荷主企業および社会に対して、共同輸配送の利用・理解を促し、組合員事業者が共同輸配送に参画しやすい環境を作り、持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。

「物流事業者の事業継続および労働環境の改善」については、両者で標準パレットの利用による荷役作業の効率化、幹線拠点からの定時運行による荷待ち時間の削減、中継輸送による宿泊を伴わない日帰り運行など、従業員の労働環境の改善と効率的な輸送による収益拡大により、事業継続への貢献を目指す。

<Sustainable Shared Transport 高野社長>
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SSTの高野茂幸社長(高ははしごだか)は、日本の物流維持について、ドライバーの労働時間の上限対応、事業継続および労働環境の改善、積載率およびトラック稼働率の向上、物流事業者の経営基盤強化を課題として挙げ、「その一つの改善策として、共同での物流、共同輸配送を通じて課題解決を目指していく、その方向性がSSTとJL連合会で一致した」と今回の連携について説明。

<JL連合会 迫会長>
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またJL連合会の迫 慎二会長は「中ロット、小ロット単位の積み合わせ事業を続けてきたが、なかなか荷物情報ができないのが課題」と述べ、「今回の協業でその課題が解決できればありがたい」と期待を語った。

なお、両者は今後、JL連合会のローカルネットNEXTとSSTの共同輸配送システムの連携を予定。時期は定めず、実績ベースで積み上げながらシステム連携を進めていくとしている。

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