いすゞ/自動運転専用テストコースを新設、国内商用車メーカー初
2025年08月28日 14:17 / 施設・機器・IT
いすゞ自動車は、自動運転専用テストコースを新設する。2026年夏に一部コースの使用を開始し、2027年9月の本格稼働を予定している。自動運転専用テストコースの開設は国内商用車メーカーでは初。レベル4自動運転トラック・バスの早期実用化に向けた取り組みを加速する。
テストコースは、いすゞ北海道試験場(北海道むかわ町)の敷地内に開設。約19万m2を新規に開発し、市街地、高速分合流、郊外路など各試験エリアを設定のうえ、さまざまな交通インフラを設置する。連節バスや大型トレーラーといった全長が長く、車両総重量の大きなクラスの車両にも対応するという。
いすゞグループにおける自動運転技術開発の中核拠点の位置付けとなり、自動運転車両のセンサー・AI・制御技術の総合評価を行うとともに、国内外の拠点と高速ネットワークで接続し、リアルタイムにデータを共有・活用する体制も整備する。
またテストコースの隣接地には、試験研究棟を新設。自動運転車両の整備スペースや協業パートナー向けのワークスペースを設置する予定。将来的には自動運転スタートアップ、自動車部品サプライヤー、交通インフラ業界など、いすゞグループ外の企業・組織が利用できるよう開放する計画で、スタートアップや異業種との協働を通じて、自動運転技術の研究・開発や実証実験を推進するオープンイノベーション拠点として活用する。
いすゞでは、このテストコースを活用することで、国や自治体、研究・学術機関などと連携して、自動運転ソリューションの社会実装に向けた安全基準や試験方法などのルール作りの一翼を担う。また、自動運転レベル4の許認可取得や国際法規対応に必要な検証データの取得も進める。
8月27日に行った地鎮祭で、いすゞグループの自動運転技術開発の指揮を執る上田 謙いすゞ 常務執行役員開発部門EVPは「自動運転事業は将来のいすゞの収益の柱。いすゞグループは、事故ゼロ社会の実現に向けて、安心・安全なモビリティの未来を切り拓いていくため、本テストコースの運用を通じて、自動運転技術の発展に貢献していく」とコメント。
<地鎮祭で鍬入れの儀を行う上田常務執行役員 開発部門EVP>

また佐藤浩至常務執行役員開発部門VPは「本テストコースは、いすゞグループが世界の商用車の自動運転をリードしていくために不可欠な設備。数年後には、オープンイノベーションのハブとして、さまざまな企業・組織がともに研究・開発する自動運転の聖地となることを願っている」と挨拶した。
【自動運転専用テストコース概要】
所在地:いすゞ北海道試験場(北海道勇払郡むかわ町米原489)
面積:約19万m2
投資総額:約74億円
稼働開始時期:2027年9月(計画)
対応コース:市街地路、高速分合流、坂路、郊外路、駐車、多目的(可変コース設計)、ADAS試験などの各エリア
主な交通インフラ:信号機、電光掲示式速度規制標識(さまざまな速度制限の検証を行う設備)、自転車専用レーン、バス停、V2X設備(車両とインフラの協調通信)、ETCゲート、踏切など
試験研究棟:大型車両整備場 、外部パートナー滞在ルーム 、プレゼンテーションルーム、遠隔監視ルーム(2028年10月稼働開始予定)
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