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2025年10月28日 17:45 / 経営
国土交通省、公正取引委員会は10月28日、過去最大規模となる「トラック・物流Gメンによる合同荷主パトロール」を実施した。
2025年度は10月・11月を「集中監視月間」とし、悪質な荷主・元請事業者に対して、貨物自動車運送事業法に基づく「働きかけ」や「要請」を実施。今回、都内に本拠・主要支店をもつ、「建設・土木」「鉄鋼」「小売」「食品・飲料」「機械・化成品等製造」「元請トラック事業者」「その他物流事業者」等に対して、対面による訪問パトロールを行った。
合同荷主パトロールには、各地方運輸局・沖縄総合事務局のGメンも都内に参集。合わせて、2026年1月の中小受託取引適正化法(改正下請法・取適法)の施行を前に、荷主等による違反原因行為の未然防止等の観点から公正取引委員会も参加。公正取引委員会3人、国土交通省(本省:トラック・物流Gメン)3名、地方運輸局・沖縄総合事務局(トラック・物流Gメン)30名、トラック協会職員(Gメン調査員)3名、Gメンアシスタント5名の44名で、合同荷主パトロールを行った。
人数、メンバーの種別、パトロール対象者数とも、トラック・物流Gメン制度創設後、最大規模の荷主パトロールとなった。
出発式で国土交通省の岡野まさ子大臣官房総括審議官は、「4月に物流改正法が施行され、5月には改正下請法(取適法)が交付され、来年には施行される。荷主企業に対して、一層の取引の適正化が強く求められている。法改正を契機に、公正取引委員会との連携は重要性を増している」と述べ、「今回の合同パトロールは、はじめて全国規模で公正取引委員会と連携して行う。荷主企業等による違反行為の未然防止、改正法の周知・啓発が主目的となる。今回、物流の集積地である東京で、全国から集結したトラック・物流Gメンと公正取引委員会が荷主パトロールを実施するということは、全国の荷主企業等に対して強いメッセージを発信することになる。また、政府の確固たる意志を表示することになる」と合同パトロールの趣旨を説明した。
その上で、「全国のトラック・物流Gメンのみなさん。みなさんの活動は、現場の声を拾いあげ、制度と実態のギャップを埋める極めて重要な使命を担っている。現場での調査・確認は、時には困難を伴うこともあるかと思う。しかし、トラック・物流Gメンの活動は物流の健全化に向けた礎。また、物流業界の明るい未来を拓く力になると信じている。どうか誇りと使命感を持ち、毅然として態度で、合同パトロールに臨んでもらいたい」とあいさつした。
公正取引委員会の向井康二官房審議官は、「取引の適正化については、近年の原材料・エネルギーコスト・労務費などの上昇を受けて、最も重要な課題の一つになっている。運送事業者などの中小企業が、物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できる状況を実現するには、構造的な価格転嫁をサプライチェーン全体で、新たな商慣習として定着させることが極めて重要となっている」と説明。「良質な商品・サービスに対して、それに見合った適切な対価を支払うこと。これを社会的な規範として定着させ、企業が持続的に成長できる環境を整備することが重要だ。この点は、高市新総理の所信表明演説でも、取引適正化を進めることに明確に言及されている。賃上げ環境の整備・価格転嫁対策の徹底については、政府全体で最優先の急務となっている。公正取引委員会の中で、取引適正化は最優先事項の一つとして全力を挙げて注力している」と現状を解説した。
また、「このような状況の中で、取引適正化の中核を担う改正下請法が5月に成立して、来年1月1日から中小受託取引適正化法(取適法)として施行される。法改正の主要な論点の一つが物流問題(2024年問題)だった。これを解決するために、新たな武器を導入したものだ。新たに、初荷主と物流事業者の取引が取適法の対象となった。また、従来は、事業者間省庁は、調査権限しかなかったが、新法では、事業者間省庁が違反事業者に対して、直接、指導・助言をすることが明記された」と法改正の背景を述べた。
さらに、「政府全体で取引適正化を進めていく。一方で、ルールだけを定めて、絵に描いた餅にならないように、法執行の強化が不可欠となる。とりわけ物流の実態に精通している国土交通省と連携した法執行が、公正取引委員会が進める取適法の執行連携を軌道に乗せる上で、最重要となっている。今回、国土交通省と公正取引委員会が合同で、直接事業者を訪問する合同パトロール活動は、かつてない歴史的な取り組みだ。我々としても高く評価をしている。合同パトロールによる取引の適正化に対する社会的な機運を醸成するととも、取引の適正化に政府全体で、本気で取り組んでいることを内外に示す、きわめて重要な機会と考えている」と述べた。
その上で、「トラック・物流Gメンの存在と活動は、適正な運賃の収受、長時間荷待ち、無償の荷役、荷待ちといった課題の撲滅に直接的に貢献している。物流事業者の取引適正化には、もはや欠かせない存在となっている。社会的に大きな注目を集めている活動であり、来年に施行される取適法の執行についても協力してもらい、政府一体となって、取引の適正化を強力に実現していきたい」とあいさつした。