センコーは12月12日、公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(下請法)に基づく勧告を受けたことを受け、取引先に対する対応を発表した。主な内容は、無償の荷役作業・長時間の荷待ちに対する支払と、約1000社の取引先を対象として、同様の事例の全国調査となっている。
公正取引委員会は、センコーに対して、「無償で荷役作業、附帯業務及び長時間の荷待ちを行わせたことによる費用に相当する額を公正取引委員会の確認を得た上で速やかに支払うこと」「下請事業者に対し、2022年12月1日から2025年12月12日までの間、自社が管理する施設内において、無償で、荷役作業、附帯業務又は長時間の荷待ちをさせた事実の有無について調査し、当該事実の存在が認められた場合には、下請事業者の利益を保護するために必要な措置を講じること」などを勧告している。
<センコー>

センコーの担当者によると、「無償の荷役作業・付帯業務、長時間の荷待ちについては、各社で業務内容・実施場所が異なり、コストも異なるため、今後、当社から支払いについての協議の申し入れをする。今回、該当された36社の方と協議をして、支払い内容について、公正取引委員会の確認を得て、支払手続きを進める」という。
また、「2022年12月1日から2025年12月12日までの同様の事案の調査については、公正取引委員会と調査方法等について協議して調査を進める。調査対象は全国で、当社の取引先は1000社を超えているため、取引先から同様の事案について申告をしていただくことを想定している。これまでも、自社調査として、無償の荷役作業や長時間の荷待ちの調査をしてきたが、結果的にそこで拾い切れていない事案があった。今後も、無償の荷役作業や長時間の荷待ちを防止するため、自社調査も含めて、協力会社とのコミュニケーションを深めていきたい」と述べた。
同日に発表したプレスリリースでは、「勧告を厳粛に受け止め、勧告に基づく必要事項について取締役会決議を行うとともに、下請法に関する社内教育の実施など社内体制の整備に必要な処置を講じてまいります。勧告に基づき、荷役作業及び附帯業務並びに⾧時間の荷待ちに係る費用相当額につきましては、勧告の対象事業者様に対して支払いの申し入れを行い、誠意をもって対応を進めてまいります」と表明した。
また、「その他の対象事業者様に対しても、取引状況を確認し、類似の行為が認められた場合には、料金の設定、委託作業内容の見直し等を図ってまいります。今後の取引において下請法違反が発生しないよう勧告について社内に周知徹底するなど、勧告において求められた処置を速やかに実施するとともに、コンプライアンスの一層の強化と再発防止に努めてまいります」と対応策を説明している。
なお、今回、勧告を受けた違反行為については、すでに対応策を実施しており、違反は解消している。
■公正取引委員会からの勧告について
https://www.senko.co.jp/jp/news/upload/20251212.pdf
公正取引委員会/センコーに「無償の荷役作業・長時間の荷待ち」で初の勧告