平田運輸/温室効果ガスの排出量を荷主までさかのぼり算定、企業のCO2削減に貢献

2026年01月15日 17:01 / 経営

平田運輸は1月14日、CO2など温室効果ガス(GHG)を削減する取り組みの一環として、サプライチェーンの上流までさかのぼりGHGを算定する取り組みを開始した。

資源エネルギー庁によると、モノがつくられ廃棄されるまでのサプライチェーンにおけるGHG排出量の捉え方として、「スコープ1」「スコープ2」「スコープ3」という分類方法がある。

「スコープ1」は、燃料の燃焼や、製品の製造などを通じて企業・組織が「直接排出」するGHGのことを指す。

「スコープ2」は、他社から供給された電気・熱・蒸気を使うことで、間接的に排出されるGHGが対象。たとえば、企業や組織が拠点を置くオフィスビルに、電力会社から電気が供給されており、その電気が石炭火力発電など化石燃料を使って作られているが該当する。

「スコープ3」は、企業がモノやサービスを販売する場合に、仕入れた原料から販売後の利用、その後の廃棄にいたるまでの間に排出されるGHGも対象としている。

モノのサプライチェーンには、「上流」と「下流」がある。たとえば、自動車メーカーから見た「上流」にあたるのは、原材料や部品の調達、原材料メーカーから自社の工場や店舗などへの輸送・配送など。一方で自動車メーカーの「下流」にあたるのは、販売会社のほか、自動車を購入して利用する消費者、廃棄される際のスクラップ事業者などとなる。また、スーパーなどの小売業におけるサプライチェーンでは、「上流」には食品メーカーや生産者が、「下流」には来店する消費者などが存在する。

<スコープ3の概要>
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出典:資源エネルギー庁ホームページ

さらに、スコープ3は、サプライチェーン上の事業活動に関係するGHG排出源を15カテゴリーに細かく分類。1は購入した製品・サービス、2は資本財、3は1・2に含まれない燃料およびエネルギー活動、4は輸送、配送(上流)、5は事業から出る廃棄物など細分類化している。今回、平田運輸は、スコープ3のカテゴリー1~8までの上流を対象にGHGを算出した。

<スコープ3の15カテゴリー分類>
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平田運輸では、スコープ3(上流)まで算定・公開し、組織ベースの一次をデータ提供することで、取引先企業のサプライチェーン排出量削減に貢献する狙いがある。

今回算定した排出原単位は、100万円あたり1.79トンCO2となり、環境省DB道路貨物運送業(除自家輸送)の100万円あたり3.93トンCO2と比較して、約45%に削減できたという。

<企業別排出原単位>
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CO2を削減するため、平田運輸では「エコジスティクスプロジェクト」を実施。従来の物流では、トラックの荷台の仕様と荷物とのミスマッチで「実車率」が低くなることが多く、環境・経済の両面で大きな損失を生んでいた課題に挑んでいる。

具体的には、往路では加工が完成した製品を顧客へ配送、復路では顧客の加工時に発生した金属スクラップ等の再生可能資源物を引き取り活動を展開。往復とも貨物を積載し、トラックの稼働率を最大化している。

また、平田運輸が輸送を行うことにより削減できたCO2の量を算出し、参画企業ごとに削減レポートを提供。レポートは月次・年次単位で作成。取引先企業は、定量的な削減量を把握し、自社のScope3算定や環境報告に活用できる。

さらに、「エコジスティクスプロジェクト」に参画する企業に対して、再生可能資源物の取り扱い量に応じたカーボン・クレジットを付与。資源物の引き取り量が多いほど、付与されるクレジットが増加し、企業の脱炭素目標達成に活用できる仕組みとした。

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