島根労働局はこのほど、県内の4労働基準監督署(松江・出雲・浜田・益田)が2024年にトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導等の状況について発表した。
監督指導を実施した事業場は、39事業場で、うちトラックは27事業場だった。そのうち、労働基準関係法令に違反したのは22事業場だった。トラックの監督実施事業場数に対する違反率は81.5%となった。主な違反事項は、「割増賃金」8件、労働時間8件、時間把握1件だった。
また、業種ごとの改善基準告示違反事業場数と主な違反事項を見ると、トラックは27事業場で監督を実施。うち、19事業場が改善基準告示に違反していた。違反率は70.4%となった。主な違反事項は、総拘束時間5件、最大拘束時間14件、休息期間10件、最大運転時間4件、連続運転時間6件だった。
<自動車運転者の改善基準告示等の主な改正内容>

さらに、今回、長時間労働のおそれのある運送会社に対して監督指導を実施した具体的な事例を2件公開した。
事例1として、長距離輸送を行っているトラック運転者に、時間外・休日労働に関する協定(36協定)を締結・届出ることなく、違法な時間外労働(1カ月当たり最大89時間)が認められたため、是正勧告した。併せて、過重労働による健康障害防止対策として長時間労働の削減について具体的な方策を講ずるよう指導した。
また、1カ月の総拘束時間(284時間)を超えていた(改善基準告示違反)ほか、月80時間を超える時間外労働等を行った労働者に対して、当該労働時間に関する情報を通知していなかった。さらに、時間外労働について、諸手当の一部を単価に算入しないまま、時間外労働手当を支払っていたことにより、割増賃金の不足が認められたため、是正勧告した。
是正指導後の会社の取り組みとして、荷物の到着時間が荷ごとに細かく設定されることで、労働時間や拘束時間が長時間となっていたが、労働者の理解を得て、出勤時間を遅らせるなど柔軟に勤務時間を変更することにより、労働時間の短縮が図られ、時間外・休日労働に関する協定(36協定)の範囲内で時間外労働を行うようになった。
また、対象労働者の労働時間について、情報提供(通知)を行い、医師の面談についての環境を整えた。さらに、時間外労働手当の計算に際し、諸手当の一部を単価に算入するよう改善するとともに、過去の不足額を再計算し差額を支払った。
事例2として、長距離輸送を行っているトラック運転者に、時間外・休日労働に関する協定(36協定)で定めた延長時間(1カ月当たり45時間)を超える違法な時間外労働(1カ月当たり最大85時間)が認められたため、是正勧告した。また、労働契約の締結の際に、労働者に対し、就業の場所等法定の項目について、明示していないことが認められたため、是正勧告した。
是正指導後、突発的な業務量の増加を原因として長時間労働が発生していたため、業務量が増加した時の労働時間の把握を徹底し、労働者の健康面の指導を確実に実施し、時間外・休日労働に関する協定(36協定)の範囲内で時間外労働を行うようになった。また、労働条件通知書に、就業の場所等法定の項目を確実に記入し、明示することとした。
■島根県内における自動車運転者を使用する事業場に対する2024年の監督指導等の状況
神奈川労働局/2024年度トラックで131事業場に監督実施、労働時間違反48.9%で最多
トラックニュースはトラックに関するB2B専門の
ニュースを平日毎朝メール配信しています