経済産業省/赤澤大臣「ナフサの量は足りている。事実に基づく発信を続ける」と表明

2026年06月10日 12:28 / 施設・機器・IT

赤澤亮正経済産業大臣は6月9日の閣議後記者会見で、「ナフサは足りていないため、流通に対して協力しましょうというメッセージを出す考えはあるか?」という質問に対して、「ナフサの量は足りている。私自身は事実に基づく発信を続けています」と表明した。会見の要旨は次のとおり。

(ナフサが不足している認識とは)全く認識を異にします。事実関係としても間違えていると思います。起きている問題をしっかり認識してもらうことが必要で、何か先ほどナフサを上流から豊かに流せば下に流れていって需要を満たすみたいなことを言いましたけど、全くずれていると思います。

それは端的に言ってしまえば、必要な量、これまでと同じだけ国の中にあっても、例えば皆さんがいつもの10倍発注したときに、その需要を満たすにはいつもの何倍要ると思われますか。10倍供給することって現実的ですか。数倍でも全く非現実的だと私は思います。いろんなことをすっ飛ばしておっしゃいましたけど、そういう何か余り現実的でないことを何か常識だとかいって言うこと自体、私自身はちょっと問題じゃないかと思いますね。

ナフサについて言えば、これはもうむしろそっちが常識ですけど、原油を精製したときにナフサが10出てきます、ガソリンが29、軽油が24、ほぼ割合が決まって全部出てくるわけです。ナフサを増産しろという話は、そのナフサの10をやったときに、ガソリンでは29、軽油では24どんどん出てきて、それを精製した元売はどこに備蓄するんですか。どこに貯めておくんですか。それに必要な量、例えば何倍も生産したときにタンクないですよ、国内に。どうされるんですか。そういうことを全部すっ飛ばして、何かそれが常識だといっているので、それはやっぱり違うのではないでしょうか。もう少し現実的な物の考え方をして指摘をされるのが私は望ましいのではないかなと。

それは言論自由の国ですから、マスコミの方が何を言われようが、私はそれについていちいちコメントしませんけど、今みたいにナフサをただ上流からいっぱい流せばというのを、どうやって流すんですかということについて、大変な苦労があるわけです。全く私は当たっていないご指摘だと思います。

その上で、原油や石油製品は、繰り返しになりますが、「我が国全体として必要となる量」は確保できております。それは三つありますよね。ナフサについて言えば、端的に言えば、先ほど申し上げたように原油を精製したときに100精製すれば10ぐらい出てきます。これはやり方によって1、2%ぐらい動くかもしれませんが、大きく動くものではありません。それに加えて、外国から輸入をしてくるということがあり得ます。それから、国内の在庫、川中在庫と言われるものを取り崩すやり方があります。その三つを併せてナフサについては、今まだ原油の量について国内で必要な量は足りていますので、通常どおりの精製を心掛け、加えて在庫の取崩しとか、必要に応じて輸入を増やすと。

現にナフサの製造量については、3月以降、定期修理が集中をするので、基本的に生産量が落ちています。ということなんですが、それが徐々に、少なくとも夏ぐらいまでには回復をしてくる。それまでの間は川中在庫を取り崩したり、それから輸入を増やしたり。代替調達が順調にいったので、川中在庫も1.8か月分あったものが0.1か月分に減っただけという状況になっています。

繰り返しになりますが、大事なのはやっぱり私が量は足りているという発信を続けることです。それが事実ですから。続けた上で、国内の皆さんが、量が足りないんだと。誰かがもう全く手に入れられなくなるんだぞということで今以上に不安になって、今以上に買い占めに走るとか、そういうことが起きないように、私自身は事実に基づく発信を続けています。

ここで私が全体として足りないんだなんていう認識を、事実と違うにもかかわらず持たれた途端に、今以上に買い占めはひどくなりますし、そういうことが起きないように、責任者として責任ある行動を取っているということであります。

それに加えて、ちょっとまだ申し上げておくことがあるので、先ほど申し上げたように、化学業界においては、これまで累次にわたって安定供給について協力を要請しています。3月30日月曜日、4月3日金曜日、4月13日月曜日、具体的には、原料調達に課題が生じた際に、即座に生産を抑制するのではなく、速やかに経済産業省又は関係事業者に相談すること、といった要請を呼びかけてきたところです。こうした要請も踏まえて、5月末には、川中・川下製品である塗料、シンナー、印刷インキ、塩ビ管、断熱材、ユニットバスなど8つの業界団体からも、足元の供給量は安定・増加し、今後も継続的に供給できる見通しであることが発信されています。引き続き、関係業界とも連携しつつ、供給の偏りや流通の目詰まり解消に全力で取り組んでまいります。

続けて、「イランの戦争が始まって3か月がたち、ナフサが不足しているといってもパニックは起こらないと思う」という質問に対しては、以下のように答えた。

それは全く認識が違います。やっぱり商売をやっている方たちは、やっておられるかよく知りませんけれども、自分が見通しを立ててやっていくことも、会社を預かっているわけですから、社員の方たちの生活も預かっていますし、ものすごく真剣になるわけです。

それで、例えば川上で起きたことを申し上げると、要するに、シンナーについて言えば、メーカーの方が、その材料を入れてくれる、トルエンを入れてくれるところから、4月は例年どおり、5月は未定という連絡を受けている。例年どおりずっと入ってくるはずが、5月未定と聞いた途端に、4月について、もう供給量を半分に絞ってしまった。川下はもう50%しか供給が出てこないので大変な騒ぎになるということが起きています。

そのシンナーメーカーが何を考えたかといえば、やっぱり分かることなんですけど、主要なお得意さんから言われたときに出せないということは困るので、その分、5月についても何とか主要なお得意さまには出せるようにといって、供給量を4月から絞って5月用を何とか取っておくと。未定と言われたのがゼロでも取っておきます。商売上、十分合理的なことだと思います。私はそのことを非難する気は全くなくて、だけど、川下の主要なお客さんでないと分類された人たちは、もうそれで大混乱になるわけです。

それから、現にあるのは、今度川下で、私に対して、「大臣心配しないでくれ。大丈夫だ、俺は接着剤いつもの10倍頼んだ」という人が出てくるわけです。そういうことが現に起きているときに、それでも、私が全体量足りていますよと、要は、目詰まりさえ解消すれば、全ての人のところに行き着くんですよと説明をしてもそれが起きているんです。不安ってそういうものです。

記者さんが「今足りていないと言ってもパニックは起きない」とおっしゃるけど、私は全く理解ができません。今でも起きているようなことが、これ以上に起きたときにどうするんですか。繰り返しになりますが、全体量が足りていても、皆さんが不安に駆られて普段の数倍発注したら、絶対にこれは回らないんですよ。あなたが言っているような、何か大増産して上から流して、数倍普段より発注が出ているときに満たすようなことを供給する側もやったら、その後にできてしまった在庫ですね、例えばガソリンとか軽油の在庫を抱えてどうするんだという話になりますし、それはもうちょっとあり得ないことなので、やっぱり現実的に解決をしていくしかないので。もう一回繰り返しますが、全体量が足りているというのは、何か事実と違うのに意図的に言っていることではありませんので、事実を繰り返し報道させていただくということです。

赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要(6月9日)

経済産業省/赤澤大臣「ナフサ、定期修理の集中期間終了で7月に前年並みの生産量」と説明

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